その日の放送のメインとなる妻と夫が登場する凝ったエンディング映像を楽しみにしている人が多い、「おとしね」こと安達祐実、相武紗季、磯山さやかがトリプル主演するドラマ「夫よ、死んでくれないか」(テレビ東京系)。
ドラマがスタートする前の3月29日放送の「伊集院光&佐久間宣行の勝手にテレ東批評」(テレ東系)にゲスト出演した安達演じる麻矢の夫で失踪中の光博を演じている竹財輝之助は、「ボク以外の2人の夫が面白い」と伊集院と佐久間に説明していたが、その言葉は本当だった。
相武演じる璃子の夫で外資系コンサル勤務の束縛夫・弘毅(高橋光臣)も、磯山演じる友里香の夫で電機メーカー勤務のモラハラ夫・哲也(塚本高史)も、しっかりと濃いキャラクターのため「今回は何をやらかしてくれるだろうか?」とワクワクしてしまう。
特に高橋演じる弘毅は、自身の肉体を毎日鍛錬し、身だしなみも整え、いわゆるデキる男なのだが、妻の璃子(相武)への愛情が深すぎるあまり、璃子のすべてを把握しなければ気が済まず、束縛している自覚すらないモンスター級のキャラクターだ。
高橋は2023年放送の「フェルマーの料理」(TBS系)でも、小林有吾氏の原作マンガには登場しない、ドラマオリジナルキャラクターの“服に付いてしまう料理のソースを洗濯する手間を省くため、ディナーのたびに上半身マッパになる謎の男”淡島優作を楽しそうに演じていたが、「おとしね」で演じている弘毅は、淡島以上にアクティブで喜怒哀楽が豊かだから、高橋も演じていて楽しいのではないだろうか。
さらには、妻の不倫相手が発覚し、妊娠していることまでわかっても、弘毅自身が子どものできにくい体質のため、「璃子の子どもは自分の子ども」として育てようとするため、視聴者からは「考え方によっては弘毅って良い夫かも」とネット上で指摘する声があがっているのだ。
どこで何をしているのかさえ、逐一、報告さえすれば、弘毅は仕事もきちんとするし、料理、掃除、洗濯と家事もしっかりこなしてくれる。ラクがしたい妻にとって、これ以上に「良い夫」はいないのではないだろうか。
6月2日深夜放送の第9話では、弘毅にある変化が訪れるというから、今から楽しみだ。
(津島修子)