これからは「将来を夢見る“夢”」の話です。“晴顔”で、あなたの“夢”が叶います。
■ヒトだけが“将来の夢”を見る
ヒト以外の動物は「将来を夢見る“夢”」を見ません。夢を抱くサル、夢を追いかけるイヌ、いないと思います。これからは“人間だけの夢”の話です。
■人類は“夢”で進化する
700万年前、アフリカで生まれた人類は、始めは「晴脳」が「雨脳」の10分の1ほどしかなかったといいます。“雨顔”で、恐怖にさいなまれ、不安な気持ちで生きていたわけです(参考:「ヒューマニエンス 40億年のたくらみ」2024年6月1日放送「“不安” ヒトが“自らつくった”進化のカギ」=NHK BS=)。
その後、アジア、ヨーロッパまで広がっていったヒトの「晴脳」は、「雨脳」の3分の1くらいに増えていきました。そしてベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸を南下し、南米まで行きついたころのヒトの「晴脳」「雨脳」の割合は、半々になっていたのです。
アフリカから世界中に広がっていく過程で、ヒトの「晴脳」は増え、“夢”を追い求める、よりポジティブな体質へと変化していきました。まさにヒトは“夢で進化”したのです。
■「夢を見ない」と、“進化”どころか“未来”がない
「明日は魚釣りに行こう」 と“夢見た”人は、そのための計画を立て、準備をするので、あくる日に魚釣りに行く確率がとても高い。ところが、「明日をなーんにも“夢見ない”」人は、「明日のためになーんにもしない」わけですから、「明日の自分は風まかせ」。偶然に支配された明日しか来ません。ひょっとして、釣りの準備を万全に整えた友達が車に乗って2人分の弁当を持って「おーい中村くん。釣りに行こうぜ」と言ってやって来るかもしれませんが、その確率は限りなくゼロに近い。あなたは、明くる日一日を、どこから吹いて来るとも知れない風にフラフラ吹き流されて終わるのです。自分の明日を、自分ではコントロールできないのです。恐ろしいことに。
ま、たまには風まかせの一日があってもいいかもしれませんが、1カ月先を“夢見ない”人には、偶然に支配された1カ月先しか来ない。1年、5年、10年先、すなわち「将来」を“夢見ない”人には、偶然に支配された将来しか来ないことになります。これ、コワイ!!「自分の未来は風まかせ」、“夢を見ない”人は、自分の“人生”が支配できないままで一生を終わるのです。これ、イヤだ!!
…それでは、釣り道具や弁当を準備するのではなく、“夢見た夢”を確実に実現させて人生を有意義にする、うまい方法はないものでしょうか?
■“マネッシーくん”は、夢を実現する!!
思い出してください。あの“マネッシーくん”!“マネッシーくん”とは、何でもマネする神経細胞“ミラーニューロン”のことです。これまで何度もご紹介してきましたね。
ちょっと復習です。人間は相手を理解するため「人まね」をするようにできています。そのための細胞が“ミラー(鏡)ニューロン(神経細胞)”です。鏡のように何でもマネする神経細胞なのですが、私は“マネッシーくん”と呼んでいます。ちなみに「ヒトは、相手の言葉をアタマの中で、マネしてしゃべってみることで、相手の言葉を理解している」のです。子供が言葉を学習する時も相手の言葉をマネして学んでいるのです。「マナぶ」は「マネぶ」ことなのです。
言葉ばかりではありません。“マネッシーくん”は、相手の「顔(表情)や動作」、「話やイメージ」もマネします。マネしているうちに、それを“実現”してしまいます。
そして、“夢”もそうです。“マネッシーくん”は、その夢を“自分に対して実現”してしまうのです(マネしているうちに)。これ、スゴイ!!
“晴顔”が、夢を作り、夢が未来をつくります。次回から、「“顔で夢実現”のシステム」 をご紹介。あなたの夢が叶います。
●プロフィール
なかむら・かつひろ1951年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業後にNHK入局。「サンデースポーツ」「歴史誕生」「報道」「オリンピック」等のキャスターを務め、1996年から「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)ほか、テレビ東京などでワイドショーを担当。日本作家クラブ会員。著書に「生き方はスポーツマインド」(角川書店)、「山田久志 優しさの配球、強さの制球」(海拓舎)、「逆境をチャンスにする発想と技術」(プレジデント社)、「言葉力による逆発想のススメ」(大学研究双書)などがある。講演 「“顔”とアナウンサー」「アナウンサーのストップ・ウォッチ“歴史館”」「ウィンウィン“説得術”」