【終幕のロンド】草彅剛と中村ゆりによる韓国ドラマのようなNHKドラマのような初回に「期待しすぎていた?」
草彅剛主演ドラマ「終幕のロンド‐もう二度と、会えないあなたに‐」(フジテレビ系)が10月13日にスタートし、意外な声が聞こえているようだ。
今作はカンテレ制作のドラマで、「草彅とカンテレ」といえば、2015年放送の「銭の戦争」、17年放送の「嘘の戦争」、23年放送の「罠の戦争」という“戦争シリーズ”のおもしろさが記憶に新しい。だからこそ今作は始まる前から「草彅とカンテレ」だからおもしろいだろう、と期待する声が多かったのだが、初回放送中からネット上には「あれ?」「おや?」といった疑問を感じる声が数多くあがっているようだ。
その理由は「なんだか韓国ドラマみたいなパートとNHKドラマみたいなパートが交互にやって来る感じ」がするから。
特に多くの視聴者が「つまずいた」のは、中村ゆり演じる御厨真琴の母・鮎川こはる(風吹ジュン)の部屋で真琴(中村)と草彅演じる鳥飼樹がセカンドコンタクトとなる瞬間に、時間が止まって風がフワッと吹く、という古典的な「恋が始まる予感」の演出だ。
さらに続けて、真琴と樹が小競り合いをしているうちに真琴が倒れそうになり、それをかばおうとした樹が結果的に真琴を押し倒してしまい、その姿勢のまま2人は一瞬見つめ合うという、これまた古典的な「ラブストーリーは突然に」的な、よくあるシチュエーションが描かれたため、「つまずいた」人が少なくなかったようなのだ。
樹が遺品整理会社 「Heaven's Messenger」に務めるきっかけになったのは、5年前に妻を亡くしたから。これもまた「ドラマによくある展開」のため、眉間にしわが寄ってしまった人と素直に「かわいそう」と樹に同情する人と、真っ二つに割れてしまったようだ。
当時は商社マンとして忙しく働いていた樹は、妻から体調急変を伝える電話がかかって来た時に、打ち合わせ中だったため、電話があったことには気付くもスルー。病院に駆け付けた時にはすでに妻は亡くなった後だった。
現在はシングルファーザーとして小学1年生の陸(永瀬矢紘)と二人暮らしをしている樹と、義母の富美子(小柳ルミ子)からは「早く子どもを産んで」とせっつかれ、夫の利人(要潤)からは「子どもはいらない」と言われてレス生活をしている真琴との、「大人の恋愛」が展開されることは確実だ。
どうか、少し哀愁を帯びた雰囲気と、どこかで見たことがあるシーンを切り張りしたようなドラマにだけはしないでほしい。
(森山いま)
