【探偵!ナイトスクープ】12歳の小6長男からの「1日だけでも次男になりたい」は自覚のないヤングケアラーの心の叫びか
1月23日放送の「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ)が物議を醸している。実はこの日の放送の予告が流れた前週16日から、多くの人々がネット上に声をあげていたから、1週間以上も注目され続けている話題と言っていいだろう。
発端は広島に住む小学6年生男子の投稿だ。
母親が仕事で忙しく、その手伝いと家事を父親が担当。親が仕事の時は、僕が弟や妹を見ている。ご飯の準備、洗濯物の片付け、おむつ替え…やることはいっぱい、などと言い、自由に遊んでいる同級生を「羨ましい」とも。「正直、長男をやるのに疲れた」という投稿者は「生まれてから長男しかやったことがないので、1日だけでもいいので次男になりたい。僕の代わりに、長男やってくれませんか」と番組に依頼。それを受けてお笑いコンビ・霜降り明星のせいやが「探偵」として、1日だけ長男をすることになったのだ。
この日の放送では、12歳の長男を筆頭に、10歳、8歳、5歳、2歳、0歳の6人兄妹は、画面で見るとそれはもう圧巻だった。おむつの取り替えから食事の準備、洗濯物するだけでなくそれらを畳んだり、食後の食器洗ったり。その後ろでは幼い弟や妹が遊んでいた。さらに0歳児をあやしたり、寝かそうとしても泣いて寝てくれなかったり、大人のせいやでさえまさに「てんてこ舞い」していることが手に取るようだった。ネット上には「長男はヤングケアラーと気付いていないヤングケアラー」と指摘する声であふれている。
せいやが「全然友達と遊べてない?」と質問すると、長男は「全然。週1回か2回」と即答。「お前12歳やもんな、遊び回りたいよな!」とせいやが言うと、長男は「友達とみんなで集まってパーティーとか、お泊り会とかしたい」と自身の希望を口にした。また、多量の家事や育児をめぐって母親とケンカしたこともあると言い、近くの公園に「家出」したこともあると小6らしい「家出先」を明かす場面もあった。
VTRの最後には両親も帰宅。長男はこの日の感想として「楽できた」と笑った。せいやは長男を抱き上げ、「お前はまだ小学生や!まだ大人になんなよ!」と真剣な表情で背中を叩き、長男もうなずいていたが、せいやのこの言葉は「助けて!って言っていいんだぞ」に聞こえてしまった。しかし家族全員とお別れの挨拶をしたせいやが玄関のドアを閉めると、母親が長男に「米炊いて!7合!」と声をかけているのが聞こえ、たとえそれが演出だったとしても、できることなら長男を抱きしめ、代わりに米を炊きたいと思わずにいられなかった。
番組公式ホームページでは、放送後の1月25日に「取材対象者やご家族に対して、SNS等で強い批判や誹謗中傷が広がっている状況を重く受け止めています。取材対象者やご家族への誹謗中傷、詮索や接触は厳にお止めいただくようお願い申し上げます」と掲載しているが、「家族の事情や日常のあり方は多様であると考えています」という見解も掲載している。TVerではまだ上記番組を視聴できるので、興味のある人は視聴してみてほしい。
多様という言葉は、なんと便利なことだろうか。
(森山いま)
