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2026/03/26 16:15

【冬のなんかさ、春のなんかね】岡山天音“小太郎”の名言「あるかもってことで生きていける」は「推し活」と同じ

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2026/03/26 16:15

 3月25日に最終回を迎えた「冬のなんかさ、春のなんかね」(日本テレビ系)。多くの視聴者が予想していた通り、文菜(杉咲花)はゆきお(成田凌)にふられた。自分勝手に「浮気」をくり返してきた文菜は見事「痛い目」に遭った。

 といっても、先輩小説家の山田さん(内堀太郎)とはキスまでしかしていないし、山田さんは亡くなった恋人が「亡くなったこと」を認識しておらず、「一番好きなのは恋人」と文菜に伝えていたし、文菜と一緒にいて楽しいことで罪悪感を味わっていた。

 美容師の小太郎(岡山天音)とは、キスしたこともなければ小太郎が文菜を好きなだけの一方通行だ。しかし文菜がどんなに傍若無人で勝手なふるまいをしても小太郎は文菜の前からいなくならない。文菜の笑顔のために奔走する。そのことを文菜は知っている。
 
 山田さんには考えていることを素直に打ち明け、理解してもらうことで「好き」という感情を抱いていていた文菜。対する小太郎には「好きじゃねーし」と平気で言い、「帰ってよ」とその時の感情をストレートにぶつけても、小太郎なら帰ってくれることを知っている。安全地帯のようでいて、ちゃんと文菜に向き合ってくれる小太郎の存在こそ、文菜にとって「大事な人」なのではないかと個人的にはずっと思っていたが、最終回でこの気持ちはさらに大きく膨らんだ。
 
 最終回後半で、文菜と小太郎が2つ並んだブランコに乗っているシーンが印象的だった。ゆきおから返された手編みのマフラーの端を小太郎に持たせた文菜は、ぐしゃぐしゃに毛糸を丸めながらどんどんほどいていく。ほどけきったぐしゃぐしゃの毛糸を見ながら「その糸もらってもいい?」と聞く小太郎に、文菜は「別にいいけど何で?」と質問返し。小太郎は「文菜がさー、いつかオレにマフラー編んでくれる未来があるかもしんないでしょ。そん時までにチクチクに強くなっとくわ」と丁寧に回答。小太郎はチクチクに弱い肌をしているのだ。すると文菜は「いや、ねぇー。そんな未来ねぇー」と即座に否定。文菜に否定されても小太郎は「なくてもいいの。あることよりも、あるかもってことで生きていけるんだから」と返したのだが、これぞ「推し活」と同じく、見返りがなくても相手をずっと好きでいられる「原動力」の正体ではないかと感じた。ほんのわずかでも「あるかも」と思える「希望」こそ、人は誰かをずっと好きでいられるのではないだろうか。
 
「推し」が結婚した途端に「推す気力」を失うのは、自分の労力やお金が「推し」ではなく「推しの妻」に流れることがイヤだからということも真理だろう。しかし、自分と推しとのあるかもしれない未来=希望を喪失「させられた」ことのほうが、痛くてツラくて悲しいから、推すことをやめてしまうような気がしてならない。

 岡山天音推しの人は、今作でますます天音のことを好きになったのでは。

(森山いま)

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