引退発表後、特別番組が次々と組まれる浅田真央。その内容は、これまでのスケート人生やリンクの外での素顔などがメインだが、浅田を語るにあたって欠かしてはならないのがスケート業界への貢献度だ。
「浅田がシニアデビューした頃は、フィギュアスケートは今ほど大きく扱われるスポーツではありませんでした。テレビ放映も日本人選手と有力選手数人の録画映像だけが流されることがほとんど。結果だけが報道され、映像を見られないことも珍しくありませんでした。浅田の登場でフィギュアスケートが盛り上がり、まず女子の放映。しばらくして高橋大輔の台頭で男子が放映されるようになりました。日本スケート連盟には、その放映権料収入に加え、浅田のCMやメディアの出演料などから一定の額が入るようになった。浅田がマネジメント会社と契約した後には、連盟側に入る割合がさらに増えたとも言われています。浅田デビュー時の05年度には約6400万円だった日本スケート連盟の収入は、13年には11億円を超えた。17倍以上にふくれあがったのです」(スポーツライター)
浅田に憧れてスケートを始めた若手選手も多く、選手人口を増やしたという点だけでなく、連盟の黒字、ひいては選手強化費の原資増加にも大きく貢献した、偉大なアスリートだったのだ。
(芝公子)