ドラマ化の多い池井戸潤氏の作品だが、主人公以上に話題になると言っても過言ではないのが「チーム悪役」とも呼ばれる、主人公の壁となる存在だ。
池井戸氏のドラマ作品の中でも最大のヒット作ともいえるTBS「半沢直樹」の大阪編で主人公の敵役を演じ、悪役としての存在感をいかんなく発揮した石丸幹二は、「あの後、しばらく悪役の仕事しか来なかった」と苦笑いをしつつ、今回WOWOW「連続ドラマW アキラとあきら」では向井理演じる彬の誠実な父親・東海郵船社長の階堂一磨役を好演している。その一磨の二人の弟、東海旭商会・社長の階堂晋役を木下ほうか、東海旭観光・社長、階堂崇役を堀部圭亮が演じているが、この二人は長兄・一磨を出し抜こうと何かと企て、その絵に描いたような悪役ぶりが話題となっている。
この二人によって歯車を狂わされていく階堂家に注目が集まるが、晋と崇の意識の根底にあるのは、長兄に対する「コンプレックス」であろう。人間のエゴを鋭く描く池井戸作品だが、彼らの行動は自己のプライド、存在意義を示すためではないかと考えさせられる。
池井戸氏は「アキラとあきら」のキャラクターの中でもこの二人の叔父・晋と崇が大のお気に入りとのこと。撮影現場で二人の演技を見学した池井戸氏は、「最高にアホで憎たらしい叔父二人を面白く演じてくださり、見ていて楽しかったです。悪役は書いていてとても楽しいですが、晋と崇の兄弟も、その残念ぶりにスイスイ筆が進みました。木下さんと堀部さんのキャスティングも、イメージにぴったり。お二人の演技を拝見するのをいつも楽しみにしています」と納得のコメント。
そんな原作者の期待も大きい二人だが、この度、ファンの期待に応えるべく“ススムとたかし”コンビの特別パロディ版ビジュアルを制作!本家のビジュアルと同様のポージングに加え“ススムとたかし”と、兄弟の存在感をしっかりと打ち出したタイトル?が堂々の佇まい。さらに、それぞれに相応しいキャッチコピーがあしらわれ、二人の生き様と心の叫びを代弁するかの内容に図らずも応援してしまうこと間違いなしの仕上がり。
この大プッシュを受け、木下ほうかは「ここからです。この後から、想像を絶する本当に面白いドラマが始まります。長い長い前説、申し訳ございませんでした。以後、晋と崇にご注目いただき、本格的な『アキラとあきら』をお楽しみください」と茶目っ気たっぷりに語り、堀部圭亮も「階堂家の“ダークサイド”ススムとたかし。ほうかさんとの次男・三男コンビを、ボク自身本当に楽しませて頂きました。欠陥だらけのこの二人。ですが、とても人間臭くて憎めません。アキラとあきらに立ちはだかる“ダークヒーロー”として、最後まで引っ掻き回してやりますよ!」と自信を見せる。
池井戸作品の「悪役」と言われる人々に魅力を感じるのは、彼らが人間らしい欲望を素直に見せているキャラクターだからではないだろうか。ドラマはいよいよ6日の放送より後半戦に突入。“アキラとあきら”だけではなく、“ススムとたかし”の活躍にも是非注目して欲しい。8月18日(金)深夜0:05からは第1話~第6話までの一挙放送もあるので、そちらも楽しみにして欲しい。
“元祖”のビジュアルの全幅帯版原作小説「アキラとあきら」も絶好調、書評サイト『読書メーター』と雑誌『ダ・ヴィンチ』がタッグを組んで一般読者からレビューを募集する「レビュアー大賞」の課題図書として『アキラとあきら』がノミネートされているが、レビューエントリーもスタートし、さらに盛り上がりを見せる。優秀レビューには豪華賞品も! レビューエントリーは8月1日~31日まで。
『アキラとあきら』
池井戸潤
徳間文庫 1000円(税別)
Sponsored by 株式会社徳間書店