これが良くも悪くも「情報バラエティ番組」というものなのだろうか。
11月9日に放送された朝の情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)の生放送中、「緊急速報」として桜田義孝オリンピック・パラリンピック担当大臣による記者会見の模様が挿し込まれた。
「9時25分ごろに『桜田義孝五輪パラ担当相会見』のテロップとともに速報。11月5日の予算委員会で、立憲民主・蓮舫参院幹事長からの追及に対し、シドロモドロ答弁になった原因を『事前通告がなかった』と述べたことを撤回する内容でした。ところがその際、桜田大臣は蓮舫氏のことを『レンポウ議員』と、予算委員会の時と同じように言い間違えた。これに『スッキリ』は、字幕テロップまで出して言い間違いの指摘に終始したのです」(テレビ誌ライター)
桜田大臣によるコメントは「記者会見において、記者からレンポウ議員の質疑に関して質問があり、『通告が全然なかった』と申し上げたのは、事実と若干違いますので撤回させていただきたい」というものだった。
「このVTRを受けてMCの加藤浩次は『笑っちゃうのでコメントはしたくない』と発言を回避。コメンテーターの菊地幸夫弁護士は『言葉尻をあげつらうような国会は見たくない』と取り直しましたが、元TBSアナウンサーの小島慶子に加藤が『練習すれば言えるようになりますかね』と振ると、小島アナは『お風呂で30回言えば言えるようになります』と回答。ほかの出演者たちも“間違えちゃいけないと思うから余計に出ちゃったのか”などとこのネタで盛り上げ、そのまま次のコーナーに行ったんです。この内容で、わざわざ緊急速報と銘打って、本来の予定を変更してまで取り上げる必要があったのか、はなはだ疑問。相手の名前を間違え続ける桜田氏にも呆れますが、問題の本質はそこではない。お笑い芸人を多数使い『情報バラエティー』と銘打っている時点で、面白いものしか伝えないという意思は感じられますが、あまりにも視聴者をバカにした放送だったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
これで視聴者は「スッキリ」するのだろうか?