手越祐也「チャラ男」の陰でひた隠しにしていた過酷な試練

 NEWSは今年、デビュー15周年を迎える。これまで、メンバーの脱退・解雇、グループの活動停止と復活を経験。数々の苦難をバネにしてきたジャニーズグループだ。

 結成当初は山下智久、関ジャニ∞の錦戸亮がいたことも今は昔。ここへきてようやく、ニュースキャスターの小山慶一郎、小説家の加藤シゲアキ、バラエティの増田貴久、「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)の手越祐也と、4人の個性が確立された感がある。バラエティ番組の現場スタッフはいう。

「なかでも、手越くんの万能さはハンパない。イッテQ!では“エンターテイナー手越”のキャッチフレーズで、芸人さんを上回る体当たりロケを見せています。彼はそもそも運動神経が抜群。学生時代に夢中になっていたサッカーはずっとレギュラーで、成績も上位。応援団長や学級委員長を務め、女子のあこがれの存在だったそうです。初めてカラオケに行ったときに歌を褒められて、さらに高めたいと思ってボイストレーニングの学校に入学。4回ほどで辞めましたが、この経験がジャニーズ事務所に入所後、役立ったようです」

 15歳のときにジャニーズ事務所に履歴書を送付、最初のオーディションで一発合格した。そのわずか10カ月後、NEWSとして歌手デビュー。ところが、下積みを経験しないまま神輿に担がれたため、その後の試練が尋常ではなかったという。

「舞台経験が豊富な他のメンバーと違って、手越くんはグループ最年少で、バックダンサーもやったことがありませんでした。自分に武器がないことを知って『仕事に行きたくない』とお母さんにダダをこねたこともあったといいます」(アイドル誌ライター)

 そんな彼だが持ち前のガッツで中学生のときに改めてボイストレーニングを開始。学校帰りに先生と渋谷のカラオケボックスで待ち合わせをして、個人レッスンを受けた。1日2時間のボイトレを2年ほど続け、高校生の頃になってようやく自信を持てたという。このことはずっと、メンバーに内緒にしていたそうだ。

 デビュー後にNEWSは、仕事で米国ラスベガスを訪れている。手越はそこで聴いたセリーヌ・ディオンの生声に衝撃を受けて、帰国後に個人ボイトレを再開。さらに歌唱力に自信を深め、06年に増田とテゴマスを結成。10年には2人でアリーナツアーを組めるほどに急成長を遂げている。

 明るく前向きで、チャラい男を自己プロデュースできる手越。彼こそ真のエンターテイナーなのかもしれない。

(北村ともこ)

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