ジャニーズ事務所は2018年7月に、東京・乃木坂の元SME社屋「SME乃木坂ビル」に移転した。地上6階で地下3階。推定購入価格は50億~60億円だといわれている。さらに、都内・渋谷にもスタジオ機能を主としたビルを借りており、多くの稽古場が入っている。デビュー組からジャニーズJr.まで、多くのタレントが出入りするため、ビルの入口では警備員が常に監視の目を光らせている。
「移転後、タレントやファンの間で話題になったのが社員食堂です。タレントは食べ放題というウワサ。芸能一本で食えないJr.でも、ここに来ると空腹が満たされるというわけです。これは、創業者のジャニー喜多川さんの積年の夢でした」(アイドル誌ライター)
生前のジャニー氏は、とかく食事にこだわった。タレントの出演舞台やコンサート会場のバックヤードでは、決まってホットミールを用意した。学校帰りのJr.に温かいものを食べさせたいという配慮だった。さらに、社長みずからがハンバーガーや牛丼などを両手に抱えて会場に現れることも珍しくなかった。ゆえに、逸話も多い。
Sexy Zoneの佐藤勝利は、舞台の1幕と2幕の間のおよそ30分間にジャニー氏から、「YOU、焼き肉行かない?」と誘われ、びっくりしたことがある。KinKi Kidsの堂本光一にいたっては、コンサートの開演15分前ぐらいに「出前頼むから、食べる?」と聞かれた。また、主演舞台の「Endless SHOCK」では、1幕が終わって全身が血糊だらけでエレベーターに乗り、開いた瞬間に立っていたジャニー氏から、「カレーうどん食べる?」と聞かれている。ジャニー氏は、タレントの空腹をとことん嫌ったようだ。
「社食は、レストラン風の食堂とおしゃれなカフェの2つあるそう。5~6人が腰かけられるテーブルが10~15セットあり、広くてキレイだとタレントに大好評。日替わりメニューがあり、昼夜でメニューが変わるとも。麺類、和・洋・エスニックがあり、『Jプレート』が大人気メニューのようです」(前出・アイドル誌ライター)
特殊なのは、レストランの端に小さなステージがあること。ミニコンサートが開けるジャニーズの食堂。“我が子”たちのパフォーマンスを見ながら舌鼓を打つのが、ジャニー氏の夢だったのかもしれない。
(北村ともこ)