元サッカー日本代表の中澤佑二が7月6日放送の「こやぶるSPORTS超」(関西テレビ)に出演し、練習生時代に体験した“キング・カズ”こと三浦知良選手との秘蔵エピソードを明かした。
中澤はヴェルディ川崎(現在の東京ヴェルディ1969)に練習生として在籍していた当時、トップチームでエースストライカーだった三浦選手とマッチアップする機会に遭遇。「コーチから、『今日は社長が来てる。ここで、キング・カズを止めたら、お前練習生からもう1個上に昇格できるぞ』って言われて、180%くらいの力で、カズさんに厳しくマークにいったんですよ」と中澤氏にとっては昇進のための千載一遇のチャンスだった。
一方、週末に試合を控えた三浦選手は身内との練習試合ということもあり、70%ほどの熱量で参戦。中澤氏は「温度差があったので、カズさんに途中で『おい! お前ちょっとマーク厳しいだろ。ふざけんなよ、もっと優しくしろよ』って言われました」と、ハードすぎる当たりを三浦選手から注意されたと回想。ただ、自身も必死で向上したいとの思いがあった中澤氏は「『これがサッカーでしょ?』みたいなことを言い返しちゃったんですよ」と明かし、「そしたらカズさんがブチ切れて。俺の髪の毛をガッとつかんで、『お前なぁ! こっちはケガしてらんねぇんだよ! ふざけんじゃねぇよ!』って髪の毛をつかんだまま振り回されました」と壮絶だった三浦選手からの洗礼を笑いながら振り返った。
その“事件”後、中澤と三浦選手が再会を果たしたのは、中澤が練習生からプロ選手へと昇格を果たした後のことで、「偶然スタジアムで50メートルくらい先にカズさんがいらっしゃって」と振り返る中澤氏。三浦選手から「おい佑二! どうした、こっち来いよ」と呼ばれると、「お前プロになったんだねぇ。よかったじゃん!」と祝福され、中澤はそんなキング・カズの器の大きさに感謝していた。
「三浦選手からは髪の毛をつかまれて振り回される手荒い歓迎を受けた同氏ですが、当時の三浦選手はJリーグ全体を牽引するヴェルディのシンボル的存在であり、練習生相手に“怪我をしている場合ではない”との主張もプロとして当然の意識といえます。ネットでは、明日のスターを夢見る中澤と、カリスマエースとして君臨した三浦選手の当時の関係性に対し、『どちらの考えもわかる』『スポ根漫画の始まりのエピソードだね笑』『カズも中澤もどっちも間違ってないですよね。それぞれの立場でサッカーに真摯に向き合った結果でしょう』『格下の練習生に激しくやられたらキレるのはわかる気がする』『ケガできないプロとアピールしたい練習生だと温度差はありますよね』との反応が集まり、尖っていた2人のスターのやり取りに関心を示しています」(テレビ誌ライター)
激しいバトル勃発から数年後に再会し、中澤のプロ昇格を喜んだという三浦選手。当時は日本トップのJリーガーとして他を圧倒していただけに、自身に口答えをしてきた若かりし日の中澤には、ほかとは違うオーラがあることをすでに感じ取っていたのかもしれない。
(木村慎吾)