高校の自転車部を舞台としたマンガ「弱虫ペダル」がついに実写化される。BSスカパー!にて8月からドラマ版が放送されるもので、7月には収録現場のレポートなどを事前特番として放送する予定だ。この実写化に対して原作ファンからは批判が巻き起こっているという。マンガに詳しいライターが説明する。
「批判の理由には舞台との兼ね合いがあげられます。『弱虫ペダル』では全8シリーズにわたる舞台化が大好評で、チケットは常に即完売。各登場人物を演じるイケメン俳優への支持には相当高いものがあります。しかし実写化となれば、より知名度の高い俳優を起用するのは確実。そこでジャニーズが起用されでもしたら、原作ファンが拒否反応を示すのは確実でしょう」
ジャニーズ主演といえば、実写版「鋼の錬金術師」の主人公役にHey!Say!JUMPの山田涼介が起用され、批判を浴びたのは記憶に新しいところ。しかも本作の主人公は、秋葉原を愛するオタク少年から自転車競技に目覚めたというメガネキャラで、その役に適した人材はジャニーズはいないという声も大きいのである。
一方で、熱い自転車レースシーンが見どころの「弱虫ペダル」は実写化に向いていないという根本的な指摘もある。前出のマンガ系ライターが指摘する。
「作品中では登場人物がレース中に熱い言葉を交わしまくるシーンが続出。そんなマンガならではの表現を、舞台版では自転車のハンドルだけを持ってレースシーンを再現するという力技で切り抜けました。しかし同じ手法を実写ドラマで使うことは不可能で、どうやって実写化するのか想像できないというのが本音ですね」
原作を忠実に再現することが無理であれば、ジャニーズ主演で話題性を呼ぶほうが良策ということか。それならば最初から実写化しなければいいという、そもそも論に陥ってしまいそうだ。
(金田麻有)