東映は11月21日、1987年に放送され人気を博した特撮ドラマ「仮面ライダーBLACK」のリブート作となる「仮面ライダーBLACK SUN」で俳優の西島秀俊と中村倫也がダブル主演を務めることを発表した。
「仮面ライダーBLACK SUN」は2022年に配信予定の特撮ドラマで仮面ライダー生誕50周年を記念して制作。監督は映画「凶悪」や「孤狼の血」シリーズなどでアウトローを描くことに定評のある白石和彌氏で、新たな視点で物語を描き直す。
オリジナルでは暗黒結社ゴルゴムによって幼なじみの秋月信彦とともに改造された主人公・南光太郎が仮面ライダーBLACKとなり、襲いかかる悪と戦う姿が描かれた。さらにBLACKと敵対し、信彦が変身するシャドームーンも当時、敵キャラクターにも関わらず人気を博した。配役については仮面ライダーBLACK SUN/南光太郎役を西島、仮面ライダーSHADOWMOON/秋月信彦役を中村が務める。
西島は配役発表にあたり「白石監督なのできっと深い深い社会派の人間ドラマになると思います。大人の皆さんが楽しめる、さらに子供たちが心の中に仮面ライダーを持って生きられる、そんな作品にします! 全力で、命がけでチャレンジしたいと思っています」と意気込みをコメント。
中村も「白石監督らしく、しっかり人と人の物語や歴史、カタルシス、さらに仮面ライダーの持つかっこよさや、ブラックの持つ痛みなど、たくさん味わえる作品になる予感がしています」と期待を込めたコメントを寄せた。
ネット上には《仮面ライダーシリーズの主演は、若手俳優の登竜門になっているが、西島秀俊さんのような渋い中年男性のライダーも別の魅力があっていいと思う》《西島秀俊は仮面ライダーに相応しい俳優だと思う。脱ぐと細マッチョで、変身しなくても仮面ライダーそのものと言ってもいいくらい》など期待の声が多数書き込まれている。
一方で《あえて文句付けるなら、設定の幼馴染に対して2人の年齢が少し離れてる?》《西島さんはいい俳優だと思うが、主人公の南光太郎はもっと若いイメージなのだが。大人な光太郎になるのだろうか?》《確か秋月と南は義兄弟みたいな設定で年齢も同じはずだったので西島さんと中村さんだと実年齢差があり過ぎるかなぁ。2人とも好きな俳優さんですが。設定自体変えるのかな?》といった物語の設定と2人の実年齢に懸念を示す声もちらほら。
「1987年のオリジナル作品でも漫画家・石ノ森章太郎氏の原作でも光太郎と信彦は幼なじみという設定で、改造によって正義と悪に分かれ、敵対する運命が描かれています。しかし、西島は今年50歳で、中村は今年35歳と15歳差あり、幼なじみという設定だと無理があるように思えます。これについては配役発表した東映の公式YouTubeチャンネル「東映特撮YouTube Official」のライブ配信内でエグゼクティブプロデューサーの白倉伸一郎氏が言及。『(幼なじみの設定の2人が)なんでこの年齢差なのっていうのがまた物語の秘密になったりする仕掛けになっております』と語っていました。
また、歴代ライダー俳優と比べて西島や中村が年を取り過ぎているという声については、確かに平成ライダーシリーズでは若手俳優の登竜門的な位置づけのため、主演は10代から20代の俳優が演じてきましたが例外もあります。05年放送の『仮面ライダー響鬼』(テレビ朝日系)では、主役に当時33歳の細川茂樹を起用。物語上の設定も31歳のライダーでした。15年公開の映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』では、当時45歳の及川光博が仮面ライダー3号に変身。16年公開の映画『仮面ライダー1号』では初代仮面ライダーを務めた藤岡弘、が69歳で変身を披露しました。ほかにも脇役のライダーを含めると30歳以上の“おっさんライダー”は相当数に上ります。
今回は大人向けの作品ということも意識されているため、TVシリーズの俳優たちよりも大人で、なおかつ女性にも興味を持ってもらえるような2人が選ばれたのでしょう」(芸能記者)
アクションにも定評のある2人なだけに、どのようなバトルが展開されるのか期待大だ。
(柏原廉)