King & PrinceがKinKi Kidsと肩を並べた。10月にリリースした最新シングル「恋降る月夜に君想ふ」が初週で44.2万枚を売り上げ、「オリコン週間シングルランキング」で初登場1位を獲得。18年のデビュー曲から8作連続で初週30万枚を超え、99年10月のKinKi以来22年ぶり、史上2組目の快挙を達成した。
人気に音楽実績も積み重ね、デビューイヤーから「NHK紅白歌合戦」(NHK)への連続出場も決めた。飛ぶ鳥落とす勢いのなにわ男子の前を走る“キラキラ王子様集団”のパイオニアだ。
キンプリはもともと、「&」ではなく「vs」だった。ジャニーズJr.内ユニットの「Mr.KING」が平野紫耀、永瀬廉、高橋海人で、この3人より先輩にあたる岸優太と神宮寺勇太、岩橋玄樹(脱退)を加えた3人が「Prince」。15年6月に両ユニットが合体して「Mr.King vs Mr.Prince」となり、テレビ朝日の夏イベント「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」の応援サポーターに就任した。
ところが、16年と17年、Princeは外された。Mr.KINGが継続してもグループは解散しないという、いびつな関係になった。
「vs」の頃、6人は切磋琢磨しながら成長すると誓っていた。そのためにCDデビューという付加価値が是が非でも欲しかった。そこで、メンバーは行動に出た。ジャニー喜多川社長のもとに6人で訪れ、直訴したのだ。
「舞台、テレビ、映画に出演することとCDデビューを同等と考えていたジャニーさんは、帝国劇場、日生劇場を満席にして、東宝や松竹といった大手配給会社の作品に出ていたキンプリの現状に満足していました。3人と3人で十分な集客があったのに、メンバーは6人にこだわった。対立ではなく再合流を望んだのです」(アイドル誌ライター)
直談判からおよそ4カ月後、ジャニー氏はデビュー決定記者会見の場を提供した。「vs」から共闘を意味する「&」に変えた晴れ舞台だった。
「あの頃、事務所内では“デビュー打ち止め”の噂が出回っていました。焦ったのは平野。永瀬と岸は『(ジャニー氏に話すのは)まだ早いんじゃない?』と反対したそうですが、6人で食事して、じっくり話し合って、気持ちをひとつにしたのだとか」(前出・アイドル誌ライター)
キンプリのために新レーベル「Johnnys’Universe」が創設された。しかし、岩橋はデビューした年の11月、幼年期から患っていたパニック障害の治療に専念するため無期休養。今年3月、正式にグループから抜けた。
6人、3人、6人、5人と変容してきたキンプリ。心の絆は永遠に6人のままだという。
(北村ともこ)