今年がデビュー10周年だったKis-My-Ft2は、この1年でさらに飛躍した。民放やオンデマンド、スマホのバラエティ番組といったニッチな分野、九州や東海、関西地方のローカル番組も攻めた。宮田俊哉は、アニメオタクの特性を生かしてピンの仕事を増やした。
そんななか、ダウンタウンの浜田雅功の名司会が光る「プレバト!!」(TBS系)から、新たな才能を伸ばすメンバーが相次いだ。16年からセミレギュラー出演していた横尾渉、千賀健永、二階堂高嗣、北山宏光だ。これまでに料理の盛り付けや生け花、俳句、書道、水墨画などで競い合ってきたが、今年10月に特待生3級だった北山が「俳句の才能査定ランキング」で初優勝。3月には、横尾が“先生”になっていた。
「横尾と梅沢富美男、皆藤愛子の俳句が21年度の中学国語の教科書副教材(明治図書出版)に掲載されたのです。過去に『プレバト!!』の俳句が教科書や歳時記に掲載されたことはありますが、有名タレント3人の俳句は初めて。横尾はグループ初の快挙です」(アイドル誌ライター)
この吉報を聞いて、地団駄を踏んだであろうジャニーズがいる。キスマイと同じ11年にデビューしたSexy Zoneの佐藤勝利だ。
ジャニー喜多川社長から「YOUは特別かっこいいね」と太鼓判を押された佐藤は、「顔面人間国宝」というキャッチフレーズがつけられた。中学2年生でジャニーズ事務所に入ったが、翌年に清水寺が主催した「全国小中学生俳句大会」で入賞するほど、俳句の才能があったのだ。
「その年の修学旅行でお寺に行った時、梅雨のうっとうしい時期だったそう。でも、僧侶の楽しい説法を聴いていると、雨のわずらわしさが吹っ飛んだという経験を句にしました。『五月雨を 話術で飛ばす 僧侶あり』という句で2番目の賞を受けました。当時から古文や俳句、標語を考えるのが好きだったようです」(前出・アイドル誌ライター)
12年にリリースしたセクゾ2枚目のシングル「Lady ダイヤモンド」の間奏で、佐藤は突然俳句を詠みあげる。ジャニーズソングとしては異質だが、個性を伸ばすジャニー氏の案だったという。
浜田とキスマイの相性が年々マッチしてきた「プレバト!!」。いつか、佐藤が横尾を負かすシーンが見られるかもしれない。
(北村ともこ)