NEWSの加藤シゲアキといえば、STARTO ENTERTAINMENT所属アーティスト唯一の直木賞候補作家。2020年下期に初めて「オルタネート」でノミネートされ、23年下期に「なれのはて」で続いた。しかし、いずれも最終選考で漏れて、悔し涙を飲んでいる。
そんな加藤の大親友は、勝地涼。勝地といえば、NHK朝ドラ「あまちゃん」に出演した際、“前髪クネ男”のネーミングで売れっ子俳優の仲間入りを果たした。加藤の実父を「シゲパパ」と呼び、さし飲みすることもしょっちゅうだ。「二十歳のころNEWSで悩んで、落ち込んでね」と本音で語られている。
実際、10代後半からの加藤は“闇期”。グループは錦戸亮と山下智久が2トップで、残りのメンバーはスポットを当てられなかった。メンバーは、相次いで脱退。加藤が11年から小説を書き始めたのは、生き残りをかけた術だった。
「なれのはて」でも落選した今年1月、加藤が帰宅したのは自室ではなく勝地宅だった。ごく親しい友人たちが、祝福と残念の両モードで待機してくれていた。帰宅した加藤は、周囲の心配を気遣って「ごめんねー」と明るく装った。ところが、「ふ~」と着席するや、泣きはじめた。
「気を許せる仲間しかいなかったので、緊張の糸が緩んだのでしょう。『これで人生変わると思ったんだよなー』とつぶやいて、号泣。『もう辞めようかと思った、書くの。こんな思いするなら』と続け、勝地さんらはただ見ていた」(番組の構成作家)
2人は、同じマンションに住んでいた時期があった。共通の知人がいたことも、行き来する仲になった理由だ。互いが手料理を振るまいあったり、旅行したり。勝地が前田敦子と真剣交際、結婚、出産、離婚した全ての軌跡を、加藤は近い距離で見ていた。
そんな勝地も元をたどれば、小学6年生の時に旧ジャニーズ事務所のオーディションを受けている。東京・渋谷のNHKのリハーサル室で、鏡を拭いていた故・ジャニー喜多川氏の姿を見ている。オーディションでは不合格となったが、中学生の時に実家の生花店がドラマ「P.S.元気です、俊平」(TBS系)の撮影場所に使われて、見学。そこで、作品の主演だった瀬戸朝香の事務所関係者にスカウトされて、14歳で芸能界デビューした。
「NEWSのコンサートで地方に行った時、加藤さんは勝地さんとリモート飲み。酔って楽しくなったのか、生まれたままの姿になって野天風呂に入って、下半身を全出し。画面のギリギリにビールを置くなどして、楽しんでいたそう」(前出・構成作家)
朝ドラ俳優の前で“シゲアキ100%”となった直木賞候補作家。これも友情の証だ。
(北村ともこ)