ドイツ代表GKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンが右膝蓋腱を完全断裂し、今季残りの試合を欠場する見込みとなったラ・リーガ1部バルセロナ。その穴を埋める“緊急補強”の候補として20歳の“日本人”がリストアップされているという。
9月23日開催のビジャレアル戦で負傷離脱した正GKでキャプテンでもあるテア・シュテーゲンの災難はバルセロナにも大きな打撃を与えており、冬の移籍市場の開幕を待たずして、無所属のフリー選手を獲得する可能性も取り沙汰されている。
現地紙「MUNDO DEPORTIVO」では、シーズン中でもサインが可能なフリーのプレーヤーとして、元コスタリカ代表GKケイラー・ナバスや、元バルサGKジョルディ・マシップなどの候補が紹介されているが、来年1月1日の移籍マーケット開幕を待ち、正式に他クラブからの有望株を獲得する線も濃厚だという。
そして、スペインメディア「El Chiringuito TV」が報じた2名の有力候補が、ラ・リーガ1部アスレティック・ビルバオのスペイン代表GKウナイ・シモン(27)と、20歳のドイツ1部ブレーメンGK長田澪(登録名:ミオ・バックハウス)である。
2004年、ドイツのメンヒェングラッドバッハにて、ドイツ人の父と日本人の母の間に生まれた長田は、小学生の頃にJ1川崎フロンターレの下部組織に入団し、2018年からブレーメンに在籍。ドイツの各年代別代表GKを務め、現在は同国のU-20代表に選ばれているが、日本のU-15代表でもプレー経験があり、今後は両国間での“争奪戦”が勃発することも予想される逸材だ。
昨季はレンタル先のオランダ1部フォレンダムで正GKとして君臨し、セーブ数はリーグトップを記録した。バルセロナは今夏よりドイツ人指揮官ハンジ・フリックを招聘しており、母国の新星をテア・シュテーゲンの将来的な後釜、もしくは“緊急代役”候補として獲得を狙っているという。
「昨季の活躍が認められ、今夏にブレーメン復帰を果たした長田でしたが、現在の立場はほぼ3rdキーパー扱いで、今季はまだ1度も試合に出場できていません。そのため、バルセロナにとってはより安価に20歳の新星を獲得できる可能性があり、スペイン代表のウナイ・シモンよりは現実的なオプションだといえます。194cmとドイツ人らしい恵まれた体格を誇り、セーブ率でも高い貢献が期待できる長田ですから、この貴重な“超ステップアップ”のチャンスが実現することを願いたいですね」(スポーツライター)
移籍金の安さがメリットとなる反面、バルセロナにとってネックとなるのは、他候補に比べて経験値が浅いという点だろう。
ラ・リーガでは第6節時点で6連勝を飾る好調をキープし、ライバルのレアル・マドリードを抑えて首位に立つバルサだけに、誰を正守護神に据えるかが後半戦の戦いに大きな影響を与えることになりそうだ。
(木村慎吾)