旧ジャニーズ事務所が創業者・故ジャニー喜多川氏の性加害を事実と認めた会見から1年が経過。元「ジャニーズ性加害問題当事者の会」メンバー・中村一也氏や志賀泰伸氏らが、10月9日に都内の日本記者クラブで会見を開いている。
昨年9月7日、旧ジャニーズは当時の社長だった藤島ジュリー景子氏と、当時所属タレントの東山紀之氏、そして、元V6・井ノ原快彦らが会見に出席し、創業者による加害を謝罪した。
その後、同事務所は解体され、被害者への補償業務を行う「SMILE-UP.」と、タレントのマネジメントを請け負う「STARTO ENTERTAINMENT」へと生まれ変わり、前者は9月30日時点で999人の被害申告者に対し補償を進めているという。
ただ、志賀氏が、旧ジャニーズの会見から1年が経過する中で「性加害問題が風化の一途をたどっていると感じる」と話すと、元ジャニーズJr.でもある中村氏は、ある2名の発言に対する不快感を示すことに。
「タレントさんにこの問題について発言を強要するつもりはないですが、コメントされた中には事実にフタをして、『show must go on!』。空気すら読めない発言もあった」と、まずは旧ジャニーズのベテラン・木村拓哉による9月7日の会見直後に投稿したインスタグラムに苦言を入れた。これはジャニー氏がモットーとして所属タレントたちに教え込んでいた言葉であり、あのタイミングで投稿するものとしては不適切なものだった。
続けて同氏は、すでに事務所からは退所しているものの、「実質最年長だった」人物による発言を紹介。「1人でも不幸になる人がいればそこは考えなければ…」というもので、中村氏はこれを「意味不明な言葉で、違和感があります」と批判している。
これは今年7月16日、東京・浜松町の文化放送にて行われた「オトナのホンネ キャンペーン」取材会での歌手・近藤真彦による発言だ。旧ジャニーズの“長男”として44年間在籍し、2021年に退所した近藤は、記者から古巣の性加害問題について聞かれると「温かく見守らせてもらうのがベストかな」「皆が幸せになれるのであれば発言もするし、発言して1人でも不幸になる人がいれば、そこは考えなければならない」と深い言及を避けていた。
「木村もまた、近藤ほどではないにせよ、旧ジャニーズには37年在籍しており、何らかの事情を知る内部の1人だと目されているものの、“当事者の会”メンバーからすると、曖昧かつ不要な発信をしてしまっている、という印象なのでしょう。また、木村の場合、『show must go on!』と綴った投稿には、敬礼をするようなポーズの写真が添付されていたことから、ジャニー氏による加害に苦しむ人々の神経を逆撫でするものとして捉えられてしまいました。それでいて、謝罪することもなく、問題の投稿を“サイレント”削除していたことにも、当時、批判の声が寄せられていました」(テレビ誌ライター)
当然、性加害にまつわる話題はセンシティブなものであるため、「詳しいことを話せないなら不用意な発信をしないでほしい」というのが“当事者の会”メンバーによる想いなのだろう。
(木村慎吾)