浅見理都氏による同名マンガ原作のドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系)が多くの視聴者から好感触を示されているようだ。
広瀬すずが主演を務めるこのこのドラマの脚本家は、実は、放送中の奈緒主演ドラマ「東京サラダボウル」(NHK)、「顔芸」という言葉が生まれた堺雅人主演ドラマ「半沢直樹」(TBS系)、これまでアンタッチャブルだった大相撲界の世界に斬り込んだと称賛の声が集まった、一ノ瀬ワタル主演ドラマ「サンクチュアリ‐聖域‐」(Netflix)などを手がけた金沢知樹氏。現在“知る人ぞ知る脚本家”といったポジションの金沢氏は、この「クジャク」でおそらく“誰もが知る面白い脚本家”になることだろう。
金沢氏は、元ワタナベエンターテインメントに所属していたお笑い芸人。恋愛バラエティ番組の通称「あいのり」(フジテレビ系)をご存じの人は多いと思う。1999年10月からスタートした「初代あいのり」にあたる「恋愛地球旅行 あいのり」にホテル勤務の「金ちゃん」として金沢氏は出演。当時は芸人をしていたが、芸人として売れていなかったこととホテルでバイトしていたことから「ホテル勤務」とされていた。
この出演により表舞台は向かないと感じて裏方に転向。芸人として同期だったホリケンこと堀内健に「金ちゃんはネタ書けるから『笑う犬』(フジテレビ系)の放送作家として入らない?」と誘われる。そして、2001年10月スタートの「笑う犬の発見」(フジ系)で構成作家デビュー。その後は舞台や映画の脚本も手掛けるようになった。
2022年公開の映画「サバカン SABAKAN」では初監督および脚本を萩森淳氏と共同執筆。この映画は「第46回日本アカデミー賞 新人俳優賞」をはじめ、各種の映画賞を獲得した。 これをきっかけに金沢氏は多くの人々に知られるようになり、私もその1人で「サバカンの人」と覚えていた。良作を描く脚本家として金沢氏を覚えておいて損はないと思う。
(森山いま)