アサジョ

イケメン ラブ エイジングケア!大人女子を楽しむための情報サイト!

芸能
2025/02/22 07:15

【セプテンバー5】五輪テロに直面した“オールドメディア”の意地/前田有一「映画ハマるならこの1本」

芸能
2025/02/22 07:15

 ミュンヘン五輪で実際に起きた凄惨なテロ事件をもとにした作品。スピルバーグ監督の「ミュンヘン」(2005年)は2時間40分を超える大作だったが、本作は、スイス出身のティム・フェールバウム監督が、偶然事件現場に居合わせたテレビクルーの視線で描いた“没入型サスペンス”となる。上映時間はわずか94分と、ぎりぎりまで削ぎ落とし、見る者のメディア観を大いに揺さぶる。

 1972年の西ドイツ。ミュンヘン五輪開催中の選手村で、パレスチナ武装組織「黒い九月」が、イスラエル選手団を人質に立てこもる事件が発生した。五輪中継を担当する、米ABCテレビ局スポーツ班プロデューサー(ジョン・マガロ)らは議論の末、生中継することを決断する。

 インターネットもスマホもない時代、スポーツ班のチームが、不慣れな事件取材にもかかわらず、あらゆるツテを使って情報を集め、手探りで中継をつないでゆく展開が熱い。犯人を「テロリスト」と呼ぶかどうかなど、言葉の選択ひとつを巡って議論する姿は、現代では崩れつつある報道モラルの健在ぶりを感じさせる。

 斬新なのは、当時のABCキャスター、ジム・マッケイの実物映像をそのまま使っている点だ。そのため撮影では、新撮部分の色合いを合わせるために、古いレンズを装着してレトロ感を強調している。撮影地もミュンヘンなので、さらに臨場感が高まっている。

 クライマックスは、ある吉報をめぐり「すぐに報じるか、ダブルチェックを待つか」でチームが揺れるシーンだ。ここでの彼らの決断に心打たれた。

 本作が描く「情報発信」や「報道」への真摯な姿勢は、デマがあふれるSNS全盛の今こそ響くテーマだ。

(全国公開中、配給 東和ピクチャーズ)

前田有一(まえだ・ゆういち)1972年生まれ、東京都出身。映画評論家。宅建主任者などを経て、現在の仕事に就く。著書「それが映画をダメにする」(玄光社)、「超映画批評」(http://maeda-y.com)など。

タグ
関連記事
スペシャル
Asa-Jo チョイス

罵声が飛んで男尊女卑、そして理不尽……ブラック企業“あるある”

「自分が勤めているのはブラック企業かも……」と思っている人はいませんか?ブラック企業かどうかは働いている人しか分からないところがありますよね。とは...

坂口杏里が「94.2キロ」で過去最高体重を告白…「コンビニ逮捕」から数カ月で「30キロ増」に心配の声

元タレントの坂口杏里が6月21日までに自身のインスタグラムを更新。過去最高体重を記録したことを明かした。「昨夜の私の体重。94.2。過去最大の、体...

「巨額赤字」のフジテレビ 社運を賭けた「GTO」「踊る大捜査線」連続不発なら“東出昌大が救世主”なワケ

7月20日から放送開始のドラマ「GTO」(フジテレビ系)の公式Xが、6月18日に90秒の予告映像をアップ。反町隆史が演じる“52歳の鬼...

注目キーワード
アサジョ twitterへリンク
PageTop