3月14日放送の広瀬すず主演ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系)第8話ラストシーンで、松風弁護士を演じる松山ケンイチが自身の「X」で「おしゃべりハッスルじじい」と名付けた、間宮啓行演じる鳴川徹弁護士が、「リュックメン」と同一人物であること判明した。
「リュックメン」とは「青いカラビナの男」でもあり、阿南検事(瀧内公美)の父親でもあることがわかり、「えーっ?!」と大声をあげた視聴者もいたことだろう。そこで間宮啓行とは何者なのか、ざっとご説明したい。
間宮は、今でこそ大人気の「劇団☆新感線」が生まれた大学として知られる大阪芸術大学を卒業後、劇団シェイクスピア・シアターに在籍。早生まれの吉田鋼太郎とは盟友で同学年。故・蜷川幸雄氏が演出する作品の常連でもあり、現在は吉田が演出するシェイクスピア作品の常連でもある名優だが、今回が民放連ドラ初出演だから、「おしゃべりハッスルじじい」だけで終わらないだろうとは思っていた。
吉田は2013年放送の「半沢直樹」(TBS系)で、「東京中央銀行」東京本部営業第二部に在籍していた半沢(堺雅人)の“良識ある上司”・内藤寛を好演してお茶の間に広く知られ、翌14年上半期放送のNHK朝ドラ「花子とアン」で仲間由紀恵演じる蓮子に不倫される2度目の夫・嘉納伝助を演じ、その人気が確立された。
吉田はこの時55歳で「遅咲きの名優」と呼ばれたが、間宮は現在67歳。コテコテの大阪弁で声高にまくしたてる鳴川弁護士と激渋のバリトンボイスで話す「リュックメン」をサラリと演じ分けられるその技量は、今後の映像作品に重宝されないわけがない。ウィキペディアさえまだない間宮が演じる鳴川弁護士は、はたして22年前に起きた東賀川事件とどう関わっているのか。なぜ心麦(広瀬すず)と松風弁護士(松山)の前に現れたのか。しっかりと見届けつつ、「超遅咲き名優」である間宮の次回作に期待しかない。
(森山いま)