西田尚美に非はないが、そりゃないよと思ってしまった。
3月22日深夜放送の「ザ・ドキュメンタリー 犯罪者家族になるということ~“ルフィ事件”実行役の父~」(テレビ東京系)を視聴し始めた途端「京子さん…」と、放送中のドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系)で、広瀬すず演じる心麦のようなセリフが口から転げ出てしまった。なぜなら、前日の21日に「クジャクのダンス」第9話が放送され、ラストシーンでは腹部から血を流して倒れている赤沢正刑事(藤本隆宏)と、その横には西田演じる赤沢“ワイフ”京子が、血の付着した包丁を手に持って座り込んでいたからだ。
ドラマでの状況を見る限りでは、どう考えてもワイフ京子(西田)が夫の赤沢刑事を刺したのだろう。それなのに西田は、翌日の「ザ・ドキュメンタリー 犯罪者家族になるということ」でナレーションを務めていたのだから、頭を抱えてしまった。
もう大人だから、西田は赤沢ワイフ京子を演じているのであって、西田=京子でないことはわかっている。しかし、「クジャクのダンス」を楽しみに見ている者にとって、このタイミングで西田が「犯罪者の家族になること」などとナレーションしているのを聞くと、楽しい夢を見ていたのにいきなりどつかれてたたき起こされたような、悲しい事故に遭ったような気持ちになってしまう。
「西田さんは犯罪者家族ではなく、犯罪者そのもの(を演じている)よね?」と心の中でツッコミを入れながら視聴する「ザ・ドキュメンタリー 犯罪者家族になること」は、ドラマの中で亡くなった役を演じている役者が、CMになったら元気に歌って踊っている姿がCMとして流れるのを見た時のような違和感を味わった。ほかの人は、こういう時に違和感がないのだろうか。気持ちの切り替えがサッサとできる人になりたい。
(森山いま)