放送中のNHK朝ドラ「あんぱん」から阿部サダヲ演じる“風来坊のパン職人”のヤムおんちゃんこと屋村草吉が5月30日放送の第45話で退場してしまった。週が明けた6月2日放送の第46話では、草吉（阿部）が「乾パン作り」を拒絶していた理由が釜次（吉田鋼太郎）の口から語られ、草吉の壮絶な過去が明らかになった。
銀座のパン屋「美村屋」で修業していた草吉は、パン作りをもっと勉強したくてカナダへと密航。しかしパン作りは学べず、それどころか英国軍の日本人義勇兵として戦場に行き、命を落とした戦士の荷物から乾パンを探し出して食べて飢えをしのぐしかなかった現実を体験していたのだ。
そんなヤムおんちゃんの過去を知ったところで、視聴者からは「また戻ってきてくれるよね」「風来坊だからまた御免与町に戻ってくるよね」といった声がネット上に相次ぐことになったが、ヤムおんちゃんの中の人である阿部は7月から、テレビのワイドショーにコメンテーターとして出演している人気弁護士・原田幸太郎として、ドラマ「しあわせな結婚」（テレビ朝日系）で主演を務める。
阿部演じる幸太郎は、独身主義を貫いていたが、偶然出会った松たか子演じる謎多き美術教師・鈴木ネルラに心惹かれて電撃結婚。幸太郎はネルラ（松）やその家族が住むマンションに移り住み新婚生活が始まる。しかし、ネルラがとてつもなく“大きな秘密”を抱えていることが発覚し、幸太郎の運命は大きく動かされることになる。
2012年公開の映画「夢売るふたり」や、15年公開の映画「ジヌよさらば～かむろば村へ～」ですでに夫婦を演じている阿部と松。
今作「しあわせな結婚」の脚本家である大石静氏は、20年放送のスペシャルドラマ「スイッチ」（テレ朝系）で元恋人同士の検事・駒月（阿部）と弁護・蔦屋（松）を2人が演じているのを見て、触発された部分があるのだとか。
共演回数の多い阿部と松が、「しあわせな結婚」というタイトルでありながらマリッジサスペンスであり、ホームドラマでもあるという今作をどう演じてくれるのか楽しみだ。
（津島修子）
