6月5日に行われたサッカー・ワールドカップ北中米大会アジア最終予選の第9戦。日本はアウェーでオーストラリアと対戦し、0対1で敗れた。
昨年2月のアジアカップでイランに敗れて以来となる日本の敗戦。来年6月から実施される本大会の出場権はすでに獲得しているものの、大きな課題の残る試合となった。
この試合でスターティングメンバーに名を連ねたのがブンデスリーガ・1.FSVマインツ05に所属する佐野海舟。約1年半ぶりの招集となった佐野だが、5月23日の代表メンバー発表時からネット上では賛否入り乱れる議論が勃発している。
スポーツジャーナリストが語る。
「佐野は昨年7月、知人の男2人と共謀して女性に性的暴行を加えた疑いにより不同意性交容疑で逮捕。その後、不起訴処分となりましたが、今回の代表招集には一部から強い反発の声が上がりました」
5月28日、代表選出に際して会見を開き、深々と頭を下げた佐野。自身の認識と行動に甘さがあったとして謝罪の弁を述べた。
「オーストラリア戦が近づくにつれてXでは佐野への批判が加熱し、試合中は『#佐野海舟を日本代表に出すな』とのハッシュタグがトレンド入り。スポンサー企業の不買運動を呼びかける投稿も多数あった。一方、佐野が深く反省した上で不起訴処分にもなっていることから、擁護する声も少なからず見られました」(前出・スポーツジャーナリスト)
佐野とともに批判の対象となっているのが日本代表の森保一監督。代表メンバー発表時、佐野について言及した森保監督は「ミスを犯した選手をそのまま社会から葬り去るのか」と葛藤があったことを告白。この「ミス発言」についてSNSでは「性加害を軽視している」との声が噴出しているのだ。
もっとも同ジャーナリストは「森保監督を責めるのは、いささか無理があるように思えます」と語る。
「監督は『ミス発言』の前後に『チームの一員』『指導者として向き合う中』などの言葉を使っていることから、あくまでも“サッカーの比喩”として『ミス』と語ったのは明らか。決して性加害を軽視しているというわけではないでしょう」(前出・スポーツジャーナリスト)
本大会で佐野の姿は見られるか。
(塚原真弓)