6月1日放送の「日曜日の初耳学」(TBS系)で演技に対する真摯な向き合い方をVTR出演した北村匠海や山崎賢人といった、同世代の役者仲間から明かされた吉沢亮。吉沢のことを「イケメン俳優」とだけ認識していた人は、「お芝居する上で容姿は関係ない」と言い切った吉沢の言葉に驚かされたのではないだろうか。
2011年9月から12年8月まで放送された福士蒼汰主演「仮面ライダーフォーゼ」(テレビ朝日系)で途中参加する仮面ライダーメテオこと朔田流星を演じる吉沢を初めて見た時は、もっと早く注目されて売れっ子になると思っていた。
この日の放送で吉沢自身も「同世代で10代から20代前半でバーン!とブレイクした人が周りにいっぱいいたから、嫉妬というか悔しさとかはずっと抱えていた」「(自分には)仕事のオファーがなく、オーディションで受かるしか仕事がなかった」などと、かなりストレートな言葉で過去を振り返った。インタビュアーの林修から「具体的にどんな役者さんですか?」と聞かれると「まずは福士(蒼汰)くん。で、山崎賢人、菅田将暉くん」と3人の名前を挙げた。
「まずは福士くん」という言葉や、吉沢が出演した「仮面ライダーフォーゼ」の2作品前になる09年9月から10年8月に放送された「仮面ライダーW」(テレ朝系)で大ブレイクした菅田の名前を挙げているから、「自分も仮面ライダーに出演したのに」と悔しい思いをしていたのだろうなと容易に想像できる。
今や吉沢の代表作の1つとなった21年公開の映画「東京リベンジャーズ」シリーズで主演した北村は、吉沢とは19年上半期放送のNHK朝ドラ「なつぞら」のオーディションに吉沢とともに参加していたそうだ。
北村は「(その会場に)吉沢亮くんがいて、台本に書かれているものを読むんですけど、アドリブ合戦みたいになっていったんですよ」「(吉沢のアドリブが)圧倒的でしたね」と振り返り、「吉沢亮受かったな」と直感した北村の予感は大当たり。吉沢はヒロイン・なつ(広瀬すず)への恋心を押さえアニメーターになる夢を後押しする幼なじみ・山田天陽を好演。吉沢の名前は広く知れ渡った。
北村は「なつぞら」のオーディションを受けた頃は、吉沢とはまだおしゃべりするような関係ではなかったが、当時から「芝居に実直」だったと言い、現在では「(吉沢は)芝居に生き、芝居に死ぬ人でしょうから」「僕が知りうる中で一番の芝居バカ」「芝居か、ダラッとすることしか考えてない、ヘンな人」など、友達だからこそ言える称賛の言葉がポンポンと出てきた。
北村が主役のタケミチ、そのタケミチが憧れる暴走族の総長・マイキーを吉沢が演じた映画「東リベ」だが、実は吉沢は原作マンガを読んで「(マイキーは)ボクより適任の役者がいるんじゃないか」と感じ、最初はオファーを断っていたと明かした。しかし、当時はまだ仮だったキャスト表を見て「この作品に参加したい」と感じマイキーとして出演。仮キャストと同じキャスティングで映画は製作され、共演者たちとの絆は今も続いているという。
19年公開の映画「キングダム」シリーズも吉沢の代表作の1つだが、「東リベ」で演じたマイキーとは対称的に、吉沢は原作マンガを読んだ時から「もし実写化をやるならエイ政をやりたい」と思っていたそうだ。
プロデューサーからオファーはもらったものの、正式に決まるまでに2年ほどかかったという。念願は叶ったものの、実はこの映画で9歳の幼少期を演じているのと同時期に、21年放送のNHK大河ドラマ「青天を衝け」で渋沢栄一を演じていたそう。吉沢は渋沢を演じるために体重を10キロ増やしていたが、9歳の戦争孤児を「キングダム」演じるために1カ月で体重を6~7キロ落とし、また1カ月で体重を6~7キロ増やして「青天を衝け」で渋沢を演じるという、過酷な体重調整があったことを振り返った。
「キングダム」で主演した親友の山崎賢人は、吉沢とカラオケに行くことがあると明かし、2人が好きな玉置浩二を歌うと言っていたから、ぜひとも2人で「メロディー」「田園」あたりを熱唱する姿を見せてもらいたいものだ。
公開したばかりの映画「国宝」が吉沢の主演代表作になることを願う。
(森山いま)