芸能事務所の敏腕マネージャー・吉川恵子(松下由樹)が、素人だった森山拓人(野村康太)を発掘し異常なまでの愛情を注ぎ、その愛が狂気へと変わっていく「ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~」(テレビ東京系)。「狂愛サスペンス」だと思っていたら、どうやらそれだけの「怖いドラマ」ではないようだ。
6月6日深夜放送の第10話では、恵子の狂愛に混乱し恐怖した拓人は、恵子を刺してしまうが、拓人は正当防衛として罪に問われず1年半が過ぎた。恵子の行方はわからず、拓人は俳優としてスターダムを駆け上がっていた。私生活でも芸能界を引退した美羽(中村ゆりか)と一緒に暮らし、平和で穏やかな日々を過ごし、公私ともに幸せであるように見えた。拓人はドラマで演じることになった初めての父親役で「息子を思う父親の気持ち」がわからず、恵子が自分に向けていた愛情を思い出していた。そんなある晩、拓人は恵子と暮らしていた家に1人で訪れ、恵子との思い出に浸る、という展開が描かれた。
ネット上では恵子と暮らしていた家で恵子との思い出に浸る拓人に対し「なぜそこに行く?」「恵子を忘れられないってこと?」「だからこのドラマのサブタイトルは~私があなたを支配するまで~ってことなのか?」「エンディングで流れる阿部真央の『マリア』の歌詞がこのドラマのテーマだったみたいですね」「拓人は恵子に支配され、それが愛だとおもってしまうんだろうか?」など、今後の展開が議論されている。
新人俳優として見出された拓人を過度に愛し、執着し、刺された恵子。しかし恵子がそこで終わってしまうキャラだったら、松下がキャスティングされていないように思う。拓人を支配し、支配されることを愛だと思い込ませることができてしまいそうな、松下演じる恵子の「業の深さ」から目が離せない。
(森山いま)