巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんが6月3日に亡くなった。
6月8日に行われた告別式には、長嶋さんとともに「ON砲」の一角を担った王貞治氏をはじめ松井秀喜氏、落合博満氏、清原和博氏ら、ジャイアンツOBが参列。「ミスタープロ野球」との別れを惜しんだ。
長嶋さんの訃報を受けて、日本テレビとNHKでは追悼特番を放送。あらためて昭和のスーパースターとしての存在感が浮き彫りになっている。
こうした中、長嶋さんの「スゴさ」に異議を唱えたのが精神科医の和田秀樹氏。6月7日に自身のYouTubeに「【長嶋茂雄さん】みんな褒めすぎじゃない?」と題した動画を公開し、賛美一辺倒の風潮に一石を投じたのだ。
冒頭に「日本人の特性としてどんな人でも亡くなった途端にめちゃくちゃ褒める」と指摘した和田氏。
「私はカープファンです」と前置きした上で「長嶋という人があんまり個人的に好きではありません」と語った。
「この動画で和田氏は、現役時代の長嶋さんは『活躍度合いからいっても王と比べるとだいぶ落ちる』と指摘。また『監督になってからがひどい』として1975年の監督就任1年目で最下位になった長嶋さんの監督手腕を疑問視していました」(スポーツジャーナリスト)
まだまだ長嶋批判は止まらない。同ジャーナリストが続ける。
「監督時代の長嶋さんが、他球団の主力を引き抜く補強手段を取ったことについて、和田氏は『長嶋という人の発想が日本のプロ野球をつまらなくした』と断言。スター選手が『巨人に引き抜かれるぐらいならメジャーに行こう』とアメリカに流出し『日本のプロ野球がメジャーの2軍みたいな感じ』になった元凶が長嶋さんであると指摘しています」
もっとも、和田氏の「長嶋ぎらい」には個人的な理由もあるようだ。
「小学校2年で大阪から東京に引っ越してきた和田氏は、ジャイアンツ帽を被った巨人ファンの上級生にいじめられていたとのこと。そのことで『いやらしさの象徴がYとGのマークの帽子の奴ら』と思って育ったと明かしていました」(前出・スポーツジャーナリスト)
アンチ長嶋となるのも納得の経験であった。
(塚原真弓)