国民民主党から今年7月の参議院選挙に比例代表として出馬予定だった山尾志桜里元衆院議員の「公認取り消し」が波紋を広げている。
発端となったのは、山尾氏が6月10日に永田町の第一議員会館で開いた出馬会見。過去に報じられた不倫疑惑やガソリン代の不正計上問題についての質問が相次ぎ、会見は2時間半にも及んだ。不倫問題についての新たな説明がなかったことなどから、SNSでも批判が集中していた山尾氏の会見だが、翌11日に事態が急変。国民民主党が山尾氏の公認取り消しを取り消すと発表したのだ。政界ジャーナリストが語る。
「国民民主党としては、このところ支持率の低下が指摘されているだけに、SNSで猛バッシングを受けている山尾氏を擁立するのは得策ではないと考えたのでしょう。しかし、風向きが悪くなってアッサリと公認を取り消す党のスタンスにも多くの批判が寄せられている。山尾氏を切ったところで国民民主党の支持率が回復するかどうかは未知数です」
こうした中、同党の玉木雄一郎代表に怒り心頭なのが「おぼっちゃまくん」「ゴーマニズム宣言」などの作品で知られる人気漫画家・小林よしのり氏だ。6月12日、小林氏は「ゴー宣道場」公式ブログに「小狡いネズミ男に血反吐を吐かせろ!」と題した記事を投稿。
「不倫疑惑の真相なんて言えるわけがない」「我が子にも、相手の子にも、言えるわけがないし、互いの親族にも、言えば、傷つく人、怒る人、苦しむ人だらけだろう」と山尾氏の境遇を推し量った。
さらに「人を利用するだけで、一瞬でもリスクを感じたら、忽ち切り捨てる。そんな小狡いネズミ男こそ、人格的に問題がある」と玉木代表を猛批判。「玉木に血反吐を吐かせてやるべきである」と綴ったのである。
なぜ小林氏は玉木氏に激怒しているのか。
「小林氏は、天皇制に関する『男系継承に固執しない』という考えで山尾氏と一致していて、今回の選挙に際しても山尾氏を応援するイベントを予定していました。しかし、玉木代表は6月6日にゲスト出演したYouTube番組で山尾氏が小林氏のイベントに登壇することを『懸念しますよ』と発言。山尾氏と小林氏を引き離そうとしているように見えました。かつては玉木氏自身が小林氏のイベントに出て政治問題に関する共感を示していたことも相まって、その“風見鶏ぶり”がガマンならないのでしょう」(前出・政界ジャーナリスト)
怒るのもやむなしか。
(塚原真弓)