松たか子と岡部たかし出演のワインCMに指摘される“違和感”が、妻夫木聡と今田美桜出演の宝くじCMには指摘されないワケ
9月16日に新発売された「赤玉プレミアムブレンデッドワイン」に合わせて、松たか子と岡部たかしが夫婦を演じているテレビCM「ワインブーム」編をご存じだろうか。
松と岡部はすき焼き鍋を囲みながら、「ワインブーム」と「ワインムーブ」についてコミカルな会話のキャッチボールをくり返すのだが、2人の会話の合間には、ドッジボールに使いそうなサイズ感の赤いボールをキャッチボールしあう様子が挟み込まれるというものだ。
このCMがスタートした5日前の9月11日まで、2人が「姪と叔父」を演じるドラマ「しあわせな結婚」(テレビ朝日系)が放送されていたためか、ネット上には「この2人は姪と叔父ってこと?」と誤解する人もいれば、「松と岡部は夫婦役のつもりなんだろうけれど、姪と叔父にしか見えません」などと、CMの意図は理解しているものの、ドラマの影響で「夫婦でなく姪と叔父に見えてしまう」と指摘する声が、いまだに少なくない。
その一方で、9月26日に最終回を迎えたNHK朝ドラ「あんぱん」で、主人公の「のぶ」を演じる今田美桜と、その夫の戦時中の上官であり、夫の才能を開花させる応援をし続けてくれた人であり、さらには妹が恋をしている相手でもある「八木信之介」を演じる妻夫木聡は、朝ドラ放送前から放送中はもちろんのこと、現在もまだ「ジャンボ宝くじ」のCMで「5人きょうだい」を演じているが「のぶと八木さん」などと違和感を指摘する声は皆無だ。
おそらく松と岡部はドラマで「親類」を演じる姿も、CMで「夫婦」を演じる姿も、まったく同じだから違和感を指摘する声があがっているように思う。
妻夫木と今田に「違和感」を指摘する声があがらないのは、ドラマとCMとでは、設定されている時代も違えば、演じているキャラクターもまったく別人であることが視覚としてわかるからではないだろうか。戦時中の体験談を泣きながら話す「八木」を演じる妻夫木と、「1億円以上が去年の3割増しーっ!」と言いながら卓球ラケットの着ぐるみを着用した矢本悠馬に卓球ボールを投げつける「長男」を演じる妻夫木は、まるで別人にしか見えない。
ワインCMに出演する松は、今にも岡部に向かって「孝ちゃんありがとう」と言いそうだし、岡部も松に向かって「ネルラ、ほら肉も取りなさい」と言いそうだ。
どちらにしても話題になるということは、「販促」という役目をしっかり果たしているということだろう。
(森山いま)
