【冬のなんかさ、春のなんかね】杉咲花“文菜”は「男性が考える妄想&理想の女性像」だから女性は違和感を覚えがちか
杉咲花も成田凌も岡山天音も好きなのに、見ているうちに居心地が悪くなってくるような感じがする―そんな声がネット上にあがっている「冬のなんかさ、春のなんかね」(日本テレビ系)。
現在、2023年に放送された多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠の4人がクアトロ主演した「いちばんすきな花」(フジテレビ系)が昼に再放送されており、そちらでは「男女の友情は成立するのか」と、登場人物たち全員が頭を駆使して考えている。「全員で考えている」という一体感があるせいか、登場人物に孤独感や淋しさといった感情はあまり湧いてこない。むしろ、誰かが隣にいる温かさのような感情が湧いてきて、冬にいい感じのドラマだったんだなと再確認している。
それに対し「冬のなんかさ、春のなんかね」は、杉咲演じる主人公の土田文菜ひとりが、肉体を駆使して「恋愛」を考えているように見え、秋元康氏プロデュースの6人組昭和歌謡&ポップスグループ「MATSURI」が歌う「アヴァンチュール中目黒」が脳内に流れてきてしまう。
早瀬小太郎(岡山)から好きだと言われて「あたしと寝たいんでしょ?」とメイクラブ専用のホテルに2人で行き、ソウイウコトはしないで、バスルームのボディソープを使って鼻からシャボン玉を出して2人は遊んでいたが、上っ面だけ楽しそうで、心の中から孤独や寂しさがあふれ出ていたように感じられたから、そこはとても映画っぽくて上手な表現方法だなと素直に感心した。
文菜(杉咲)は作中で、恋人のゆきお(成田)が優しすぎるがゆえに「穴が空いている。その穴が埋まらない。その埋まらなさが寂しさなのか何なのか。その正体が自分でもわからない。もはや人で埋まるものではないのかもしれない」と独白していた。その穴を別の男性、例えば小太郎だったり、第1話に登場した東出昌大にちょっと似ている小説家の先輩・山田さん(内堀太郎)だったりで埋めているかのような文菜の「ユルさ」は、生理的に受け付けられない女性が多いように思う。
どうも「文菜」というキャラクターが、男性の考える「こんな女性に振り回されてみたいな」といった、理想という名の妄想からでき上がっているようで、何とも言えない心地よくなさを覚える。しかし、怖いもの見たさならぬ、心地よくないもの見たさでつい、このドラマを見てしまう。
そういう引力がこのドラマにはあると思う。
(森山いま)
