3月31日に引退を表明したロシアのフィギュアスケート選手、エフゲニー・プルシェンコ。これまで何度も故障に悩まされ、そのたびに復帰してきたが、近年は出場さえままならなかったため、今回の引退表明は浅田真央に比べて大きく騒がれることはなかった。
「それでも、トリノ五輪で金、ソルトレイクシティ五輪とバンクーバー五輪で銀、世界選手権3回、欧州選手権7回、GPファイナル4回、GPシリーズ22回の優勝。そして、世界で初めて4回転トゥループ+3回転トゥループ+3回転ループのコンビネーションジャンプを公式大会で成功させるなど、彼は多くの金字塔を打ち立て、“皇帝”の異名にふさわしい選手でした」(スポーツライター)
日本の羽生結弦選手もプルシェンコにあこがれて、子どもの頃に髪型をプルシェンコヘアにしていたことで知られている。
ソチ五輪後には平昌五輪挑戦を公言していたプルシェンコだが、再び選手としてリンクに立つことはあるのか。
「さすがにそれはないでしょう。腰の故障で人工の椎間板を入れて競技を続けてきた体の負担もありますし、4回転のプルシェンコといえども今の男子の高いレベルに対抗するのは難しいでしょう。彼のジャンプは素晴らしいですが、今はジャンプだけでは勝てない時代ですからね」(前出・スポーツライター)
ここまで世代交代の波をしのいできたプルシェンコでも、羽生選手をはじめとする次世代の大きな波には抗えないようだ。
(芝公子)