有村架純の演じる女教師が、教え子の男子中学生と禁断の恋に陥るドラマ「中学聖日記」(TBS系)。11月27日放送の第8話では、山の中にある小学校に勤めている有村が、過去の行為が噂になったことで窮地に陥る場面が映し出された。その劇中にあからさまな“フェイク”描写があったという。
劇中では小学校で学習発表会が近づいており、有村のクラスでは劇の披露に向けて準備を進めていた。ところがある日、有村が教室の扉を開けると生徒たちが一人もいないという事態に。それは有村と男子中学生との不適切行為を知った保護者たちが授業を集団ボイコットしたもので、一部の保護者は真相究明のため学校に乗り込んできたのである。その場はなんとか切り抜けたものの、発表会の当日に有村は噂が本当だと打ち明け、大騒ぎに発展。有村はクラスの副担任から外されることになった…。
そんな展開に視聴者は一喜一憂していたが、小学生の子供を持つ女性誌ライターは、これらのシーンをとても観ていられなかったと語る。
「子を持つ親として、こんなフェイクを見せられるのはガマンなりませんね。たしかに我が子の副担任に不適切行為の噂があったら、心が落ち着かないのは確かでしょう。しかし噂の段階で、親が結束して集団ボイコットするなんて絶対にありえません。なにより子供たちは発表会を楽しみにしており、たかが噂を理由に子供たちから発表会に向けた練習の機会を奪うことなど、親として考え付くはずもないのです。そもそも副担任に問題があるのなら、まずは校長に訴え出て、その副担任を外してもらえばいいだけのこと。物語をドラマチックに見せたいがために“ボイコット”を描くのは、親や子供の気持ちを置き去りにした演出であり、大変不快に感じました」
そんな無理筋の描写は、集団ボイコットに留まらなかったという。女性誌のライターが続ける。
「有村が自らの不適切行為について告白するシーンも許しがたいフェイクです。どんな内容にしろ教師が親たちの前でスピーチするのであれば、事前に校長の許可が必要。『正直に打ち明けたい』という個人的な理由で、発表会という晴れの場の直後に自分語りをすることなど許されるはずもありません。つまり有村の行為は自分の首を絞めるといった次元ではなく、そもそも教員としては許されない問題行動なのです。そんな自分勝手な行動を取る教員であれば、中学生との淫行という以前の問題として、学校教育に関わるのは勘弁してもらいたいですね」
独身女性向けのコミック誌に連載されている原作マンガなら、小学校に関する多少のフェイクも許容範囲かもしれない。しかしあらゆる世代の視聴者を対象にしたテレビドラマでは、さすがにアウトの描写だったようだ。
(白根麻子)