サスペンスドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)の特別編が6月23日に放送され、主人公の夫婦役を演じる原田知世と田中圭の出会いからプロポーズまでが描かれた。カフェで推理小説を読んでいた原田に一目惚れした田中は、連日にわたって交際を申し込むも毎回のように玉砕。ところが31回目の告白で、ついに原田が求愛を受け入れ、見事付き合うことになったのだ。
そんな二人を結び付けたきっかけはバスケットボール。いったんは15歳年上でバツイチの原田が身を引くも、田中が原田の母校に彼女を呼び出し、3点シュートを決められるかどうかに人生を懸け、プロポーズに成功した場面が感動を呼んでいた。そんな一連の告白劇で、どうしても理解できない箇所があったという。女性誌のライターが首をかしげる。
「31回目の告白をした田中が、人気バスケマンガ『スラムダンク』の名ゼリフ《あきらめたらそこで試合終了》をつぶやくと、原田が『バスケやってたの?私、マネージャーだったの』と反応。共通するバスケ経験がきっかけでついに交際することとなりました。しかし、ジムのトレーナーと30回ものデートを重ねるなかで、お互いに過去のバスケ経験を一度も話題に出さないというのは無理がありませんか。原田はスポーツウェアのデザイナーなんですから、普通ならかなり初期の段階で田中にスポーツ経験を訊ねるのが自然。もしくは好きなマンガの話題でも、『スラムダンク』の話になりそうなものです。それが31回目のデートまで知らなかったなんて、いったいこの二人はどんな会話を重ねてきたのかという謎が発生しますよ(笑)」
このシーンでは多くの視聴者が《えっ、いまごろ!?》と驚いたに違いない。だがそこには、本ドラマならではの事情が関係したというのだ。テレビ誌のライターが指摘する。
「この特別編ではやたらと『名探偵コナン』について触れていましたが、同アニメは日本テレビ系で放送されており、制作側としては使いやすかったはずです。それに対して『スラムダンク』はテレビ朝日系のアニメですから、他局の作品となり、使いにくかった可能性が考えられます。だから普通ならバスケ経験者同士のカップルが『スラムダンク』の話題で盛り上がるところを、31回目の告白というクライマックスで、ようやく匂わせる程度に留めたのでしょう」
作中では名ゼリフこそ口にしたものの、作品名には一切ふれていなかった。これでは「スラムダンク」を知らない視聴者には意味不明なやり取りだったのではないだろうか。
(白根麻子)