女優の沢尻エリカ容疑者が11月16日、法律違反の薬物所持で警視庁組織犯罪対策部5課に逮捕されたことを受け、すでに半年近く撮影が進行していたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」制作陣は混乱を極めているという。
2020年1月5日より放送開始を予定していた「麒麟がくる」では、かの戦国武将・織田信長の正妻となる濃姫役を演じ、ヒロイン級の大役を任されていた沢尻容疑者。3月の同ドラマキャスト発表会見に出席した際には「沢尻エリカの集大成」と位置付け、涙ながらに撮影に向けた意気込みと抜擢への感謝を語っていたが、結果として、共演者、スタッフ、NHK、そしてファンを裏切り、多大なる悪影響をもたらすこととなってしまった。
「最近では、俳優のピエール瀧も3月に薬物関連で逮捕され、『いだてん』の撮り直しを余儀なくされるなど、NHKは薬物騒動によって大きなダメージを被り続けています。しかも今回の沢尻容疑者は物語のキーマンを演じ、登場回数も多かったことから、1月の放送開始までに撮り直しを完了させることはほぼ不可能とされ、異例の放送中止となる可能性も取り沙汰されている状況です。とりわけ同局の大河ドラマは長期間にわたって役者を拘束して撮影を敢行する大規模なものですから、主要キャストが途中で1人消えてしまうというのは作品の崩壊を意味します。取り返しがつかないほどの大きなドラマ作りであることを踏まえれば、今後はそのキャスティング作業を十分に精査して行う必要があると言えますね」(テレビ誌ライター)
今回の沢尻容疑者の逮捕が、その知名度の高さから世間に衝撃を与えたことは言うまでもないが、“意外”や“まさか沢尻が”といったリアクションが業界内からはあまり聞こえて来ないのも現状である。
「今回の逮捕に関して、タレントの坂上忍はレギュラー番組内で『そこまで驚かなかった。クラブに出没するって噂もよく聞いてましたし』とコメントすると、有吉弘行も『(やってる)っぽかったじゃん!』と話し、関西の大御所・上沼恵美子も『あの子、そのまんまの子やったね』と一蹴。要は、芸能界に居るものからすればこの逮捕はあまり“サプライズ”といったものではなく、また、週刊誌などでもかねてからその疑惑が報じられてきました。そういった背景がありながら、わざわざ大きな規模の大河ドラマのヒロインに沢尻容疑者を抜擢したNHKには『もう何年も前から薬物の噂があった沢尻を大河に何故起用したのか』『ワイドショー観てたら、夏頃から逮捕の噂はあったとか…。NHKが甘かったのでは?』『過去に薬の噂が出た沢尻エリカをキャスティングした経緯を知りたい』との指摘が相次いでいます」(前出・テレビ誌ライター)
もちろん、単なる噂やゴシップと実際に逮捕されるというケースは分けて考える必要があるが、大規模なドラマの制作時にはなるべくリスクを最小限に抑えたキャスティングをするべきだったと言えそうだ。
(木村慎吾)