嵐・二宮和也の主演ドラマが来年1月3日のゴールデンタイムに放送されることが発表された。新春スペシャルドラマ「潜水艦カッペリーニ号の冒険」(フジテレビ系)だ。
第二次世界大戦中に出会った厳格な日本海軍軍人と陽気なイタリア人兵士たちとの国境を超えた友情を描いた実話。二宮が演じるのは、日本海軍少佐・速水洋平。捕虜となったイタリア人に惚れられる妹の小学校教員を有村架純が演じる。2人は8年前の連続ドラマ「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」(日本テレビ系)以来2度目のドラマ共演となる。5年前の「第68回NHK紅白歌合戦」で白組、紅組の司会を担当し、息ピッタリだっただけに、周囲がうらやむほどの仲の良い兄妹役を演じている。
嵐の二宮といえば、嵐イチの演技派としておなじみ。演じる役も多岐にわたっており、硬軟いかようにも演じ分けることで知られている。本作でも馬場康夫監督が舌を巻くほどのうまさを見せつけたという。馬場監督は「ひと言でいうと、彼はプロですね。とても頭がいい人だし、撮影中、“ここってこうするのはどうでしょうか”と提案をいただき採用したシーンもあります。二宮さんがイタリア語のセリフを言うシーンがあるのですが、すごく上手で。何よりイタリア人がビックリしていましたから(笑)。かなりの長ゼリフでしたが、完璧な発音とエロキューション(発声法)で、通訳のイタリア人たちが“完璧だよ”と感心していました。お世辞抜きで鳥肌ものです。イタリアの歌を歌唱するシーンも素晴らしいので楽しみにしていただきたいですね」と絶賛する。
二宮はスマホにイタリア語の長台詞を録音し、繰り返し聞いては諳んじ、ものにしたという。また、イタリアの歌を披露する場面や、「我は海の子」を弾き語りで朗々と歌い上げる見せ場もある。嵐活動休止でグループでの音楽活動を休んでいる二宮にとって、ドラマの中とはいえソロ歌唱を聞かせる見逃せないシーンだ。
「一昔前、8月15日の終戦記念日あたりに反戦ドラマを各局競い合って制作したものです。ですが、今ではさっぱり作られなくなってしまいました。現代劇のドラマより手間も暇も金もかかるし、制約も少なくないからです。戦時中を描くなら、主役はもちろんエキストラまで男はみんな坊主頭。売れっ子に坊主を強制したらほかの仕事ができなくなりますから、なり手がいない。当時の生き証人が存命中なので、嘘八百は描けない。時代考証もきっちりしなくてはいけないし、小道具一つとっても当時のものをかき集めてこなくてはなりません。
二宮は出世作が映画『硫黄島からの手紙』の兵士役。第39回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した映画『母と暮らせば』では、原爆で死んだ兵士役を演じるなど、軍人役が板についています。来年公開の主演映画『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』でも日本軍捕虜役を務めており、戦争ものに抵抗はないようです。当たり役の認識があるのかもしれませんね」(テレビ誌記者)
すでにドラマの特報が放送されており、評判も上々だ。ひと口に戦争ドラマといっても、本作で登場するのはお気楽で陽気なイタリア人たち。ユーモアもあれば笑いもあり、ウイットに富んだ掛け合いもある。戦闘シーンもCGを使用して極力悲惨なシーンを排除するなど工夫が見られる。見ている人がつらくなったりする心配はなさそうだ。
「戦争ものでは生と死がこれでもかとリアルに描かれるため、毛嫌いする視聴者が少なくないはず。しかし、放送決定報道後の二宮ファンはまるで違っていました。ネットではもっぱら『二宮の軍服姿がりりしい』『きりっとした横顔に見惚れる』など、ビジュアルをほめたたえる声が多数書き込まれたのです」(芸能ライター)
正月の戦争ドラマでどれだけ視聴率が稼げるのか楽しみだ。
(塩勢知央)