今年1月、ジャニーズ事務所がエイベックス・エンタテインメントと新レーベル「MENT RECORDING」を設立した。現在、Kis-My-Ft2とSnow Manが所属しているこのレーベル。両会社の結びつきは、V6がエイベックス内レーベル「avex trax」からCDデビューした95年までさかのぼり、タッキー&翼がそれに続いた。
両グループとも解散したが、ダンスチューンがセールスポイントのキスマイが11年、Snow Manが20年に同社からデビュー。今後は、新レーベルが御旗に掲げるMusic、Entertainment、Network、Transmission(レーベルの頭文字)を発信していくことになる。
ジャニーズが大手レーベルと手を組むことは珍しくない。18年にはユニバーサルミュージックと共同運営で「Johnnys’Universe」を発足。デビューアーティストはKing & Princeだった。20年には「Top J Records」も設立。ポニーキャニオンから移籍したSexy Zoneのプライベートレーベルだ。
関ジャニ∞は、14年に自主レーベル「INFINITY RECORDS」を立ち上げ。演歌でデビューして以来お世話になっていたテイチクエンタテインメントからの円満移籍だった。無限大という意味を持つ“INFINITY”が“∞”を示す。
移籍して社名にこだわり、大成した例がある。
「01年に設立にされた『J Storm』は、嵐のプライベートレーベルとして誕生。ポニーキャニオンからの移籍で、“Storm”は“嵐”の由来です。内部レーベルにはKAT-TUNの『J-One Records』がありました」(芸能関係者)
嵐の好セールスは言わずもがな。昨年からグループ活動をしていないが、今年1月には最新映像作品「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」が、「オリコン週間DVDランキング」「オリコン週間Blu-ray Discランキング」「オリコン週間ミュージックDVD・BDランキング」の3部門で1位になったことが発表された。12作連続通算12作目の映像3部門同時1位となり、連続・通算ともに自身の歴代1位記録を更新した。
「嵐は邦楽界の記録を次々と塗り替えていますが、ジャニーズにはもう1人、記録保持者がいます。木村拓哉です。SMAPとして1991年にCDデビューしてから、日本人アーティストで初のシングル総売上2000万枚、日本の歴代シングルランキング3位(「世界に一つだけの花」)ほか、数々の記録を樹立。2022年の今なおJVCケンウッド・ビクターエンタテインメントに所属しています」(前出・芸能関係者)
SMAPは16年に解散。翌17年に事務所を退所して独立した草なぎ剛、稲垣吾郎、香取慎吾は、ワーナーミュージック・ジャパンから新作品をリリース。20年に独立した中居正広は歌手活動を休止中。唯一ジャニーズに残っている木村がビクターからソロアルバムや映像作品をリリースしている。
退社や移籍と無縁の木村がSMAPの記録を、その背中で後輩に伝えてゆく。
(北村ともこ)