土曜夜10時から放送している松坂慶子主演ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」(NHK)。天涯孤独の主人公・一橋桐子(松坂慶子)は、親友の宮崎知子(由紀さおり)と彼女の住む一軒家で同居を始める。ところが知子は病気のため他界。知子の娘・松本奈穂美(戸田菜穂)は桐子に、家を出ていくよう告げるのだった。
年金とパチンコ店でのアルバイト収入だけが生活の基盤となっていた桐子は、今後の生活が不安でたまらない。そんな桐子が思いついたのは、重い罪を犯して刑務所で余生を暮らし、死を迎える計画“ムショ活”を始めることだった。
スーパーで窃盗を働き、コンビニのコピー機で紙幣を印刷して偽札犯となるのを試みるも、少々トロくてのんびり屋の桐子はことごとく失敗してしまう。
ネット上には「松坂慶子ばあちゃん、チャーミング」「大女優なのに気取らずナチュラル上品」「続編してほしいほどなんだか松坂さんに癒されてます」など、桐子に魅了されているという声が続出した。
その一方で「この国で生きる様々な世代の生きづらさの悲哀を生々しく感じ、なんだか泣けてくる」「桐子のような人達を救うセーフティネット、コミュニティが構築出来ないものだろうかと心が痛みます」など、現代社会のヒズミを感じている人もいるようだ。
「一見、荒唐無稽な今作ですが、天涯孤独の老齢者が“ムショ暮らしもいいかも”と思うことを“とんでもない”と非難するより“さもありなん”と考えさせられてしまう。同じような状況にある人にとっては、身につまされるかもしれないドラマですが、松坂をはじめ岩田剛典、宇崎竜童、片桐はいり、草刈正雄など魅力ある演者ぞろいで、良質なコメディだと思います」(テレビ誌ライター)
11月5日に最終章を迎える今ドラマ。果たして桐子の運命やいかに!