【らんまん】浜辺美波が見せた大女優の風格!1分45秒の空白で視聴者を惹きつけた

 セリフがなくてもドラマは成立するんだ。そう驚いた視聴者も少なくなかったことだろう。

 8月7日に放送されたNHK連続テレビ小説「らんまん」第91回では、主人公の万太郎(神木隆之介)と妻・寿恵子(浜辺美波)の長女である園子が、まだ幼子にして天に召されたシーンで始まった。

 前週は園子が麻疹に罹ったところで終わっており、週の開けた今回は身重の寿恵子が布団に伏したまま。実のところ物語中では一度として「死んだ」「亡くなった」という言葉は使っていないものの、視聴者は幼き園子の運命をいやがうえでも思い知らされたのである。

「あえて不吉な言葉を避けつつ、不幸な状況を描く脚本の巧みさが印象的でした。朝ドラの視聴者には中高齢の女性が多く、悲しい話はむしろ鉄板。ただ幼子が亡くなったことを直接表現するのは生々しすぎるので、寿恵子の母であるまつ(牧瀬里穂)に『先週は香典を頂戴してありがとう存じました』と語らせることで、視聴者の誰もが園子の運命を理解できるように工夫されていました」(テレビ誌ライター)

 そんな脚本に加えて、ヒロインを演じる浜辺の演技力もまた、万太郎・寿恵子夫婦のやりきれない気持ちを存分に表していたというのだ。

 寿恵子は園子の夜泣きが聞こえた気がしたと、ふらふらと外に出てしまい、万太郎を慌てさせていた。ふと我に返った彼女は「私が悪いんです。麻疹に罹っても助かる子もいます」と言いつつ、「私が園ちゃんを月足らずで生んだせいです」と自らを責めていた。

 そんな寿恵子に万太郎は「わしが身重の寿恵ちゃんを置いて、植物採集に…」と、自らの行動を悔やんでいることを説明。この会話から先のシーンが見ものだったのである。

「自分を責めたてる寿恵子と、寿恵子や園子への申し訳なさでいっぱいの万太郎。もはや二人には語る言葉もなく、悲しい表情を見せたり深いため息をつくことで、自分たちのやるせない感情を表現していました。実に1分45秒にわたる沈黙が続き、ようやく万太郎が『いつの日か、わしらも、園ちゃんに会いに行く』と口を開いたときには、視聴者の涙腺は完全に崩壊していたのです」(前出・テレビ誌ライター)

 子育て経験のある人はもちろん、誰しもが自分の身近な人を亡くした経験はあるもの。この1分45秒にわたる空白で、視聴者の脳裏にはそんな悲しい思いが去来したことだろう。

 何も語らないことで、視聴者の心を揺り動かした万太郎と寿恵子。台本に「沈黙する」と書いてあったとして、神木と浜辺がその沈黙の裏に潜む感情を存分に演じていたからこそ、この場面は感動的だったではないだろうか。

 30歳でベテラン俳優の神木はもちろん、まだ22歳の浜辺がこれほどまで視聴者の心を揺さぶるとは。この「らんまん」で浜辺は大女優の風格を身に付けつつあるのかもしれない。

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