その理由を信じる視聴者はほとんどいないことだろう。
大晦日の「第74回NHK紅白歌合戦」に、朝ドラのヒロインが出演しないという異常事態だ。12月27日付のスポーツ報知にて、趣里が出演しないことが分かったと報じられたもの。
同紙では関係者の話として、NHKが趣里の出演に向けて調整を重ねていたものの、スケジュールが合わなかったとみられると報じている。しかしこの説明を正面から受け止める人がいるだろうか。
「朝ドラのヒロインは紅白のゲスト審査員を務めるか、もしくは主題歌を歌唱する歌手の応援として登場するのが恒例。ほかには『カムカムエヴリバディ』の上白石萌音が自身も歌手として出場したり、今年前期の『らんまん』でヒロインを演じた浜辺美波が今回の紅白では司会を務めるといったケースもあります。このように朝ドラと紅白はセット出演になっているのも同然であり、よもやヒロイン側に紅白より優先するスケジュールがあるとは到底考えられません」(芸能ライター)
しかも趣里に関しては、母親の伊藤蘭が「キャンディーズ50周年SPメドレー」に歌手として出場。母娘共演に期待が高まっていた。朝ドラファンから今回の不出場決定が残念だという声が続出するなか、なぜ趣里が出演しないのかと訝る人も少なくない。
そもそも朝ドラヒロインの紅白出場に「調整」が必要とも思えず、一部で噂されている「辞退」のほうが可能性は高そうだ。そうなるとなぜ趣里が紅白出演を辞退するのか。SNS上ではこんな噂も広まっているという。
「放送中の『ブギウギ』では現在、趣里の演じるスズ子と村山興業の御曹司である愛助(水上恒司)の恋愛が物語の中心となっています。しかし時代が戦時中のため、12月27日放送の第63回では東京が空襲に遭って灰燼に帰すなど、暗い描写が続出。その影響なのか視聴率も伸び悩んでおり、趣里がヒロインとして責任を感じていたり、落胆していると見る向きも少なくありません」(前出・芸能ライター)
たしかにネット検索やX(旧ツイッター)の動向を見ても、「ブギウギ」がこれまでの朝ドラほどには話題になっていない感は否めない。
ただ視聴率に関していえば決して「ブギウギ」は悲観するほど数字が悪いわけではないという。それは時代が戦時中に移り変わった昨今の実績を見ても明らかだというのだ。
同作では第10週「大空の弟」編から太平洋戦争に突入。そこから4週目の現在では昭和19年まで話が進んでいる。この間、週ごとの平均視聴率は16.2%、15.6%、15.9%、15.4%で、おおむね15%台後半といったところだ。
それに対して昨年後期の「舞いあがれ!」では、同じく第10~13週の平均視聴率が15.6%、15.8%、15.6%、15.0%となっていた。同じ後期同士で比較すると「ブギウギ」は決して視聴率低迷とは言えないのである。
「それにもかかわらず『舞いあがれ!』ヒロインの福原遥は紅白のゲスト審査員を務め、趣里は不出場。明暗を分ける形となった原因が視聴率にないことは明らかでしょう」(前出・芸能ライター)
果たして趣里が紅白を辞退した理由は何なのか。伊藤蘭との母娘共演に期待していたファンは、もやもやした気持ちを払しょくできないまま今年の紅白を観ることになりそうだ。