お笑いコンビ・ハイヒールのリンゴは、同じ芸人の世界に身を置く人間として、ダウンタウン・松本人志が選んだ活動休止という決断に理解を示した。1月13日放送「あさパラS」(読売テレビ)で、吉本興業の同期芸人として松本の去就に見解を述べている。
週刊文春に2015年の性加害疑惑を報じられている松本は1月8日、「事実無根」だとして裁判に注力することを決め、芸能活動の休止に入ることを報告した。
吉本ではNSC(吉本総合芸能学院)1期生として同じ釜の飯を食べたリンゴは、松本の活動休止という判断に「“笑わへん”って、違った目で見ている人を笑わせるのってすっごい難しい。“そういうふうに思われるんであれば、きっちりと休んで”っていう考えなんじゃないかなと思います」と、疑惑が渦巻き、松本が観客や視聴者から“笑わない”というバイアスがかかった目で見られる現状では、お笑いに専念することが困難になったのだろうと指摘した。
また、落語家・桂南光が、松本からの性被害を週刊誌に告発した女性について「本当に訴えるんやったら、最初から法的に訴えたらよかったんじゃないの?」とコメントすると、リンゴは女性としての立場からこれに反論。「男性はそういうことを言いますけど、自分がそういう被害に遭ったとしたら、やっぱり(警察に)いけないんですよ。ずっとしまい込んでしまったりとかなる方が多いんですよね」と述べ、性被害者が警察署へ行くことの心理的ハードルについて言及した。
「数ある情報番組のコメンテーター陣において、リンゴは松本と同じ事務所の同期という非常に近いキャリアの持ち主という立場からコメントを残しました。だからといって、彼を全面的に擁護するわけでは決してなく、双方の心情に寄り添うフェアな見解に留めています。とりわけ、警察ではなく週刊誌での告発を選んだ女性には、世間からのバッシングも一部で聞こえる中、リンゴはその選択に至った女性の心情に深い理解を示しました。ワイドショーMCとしての中立性や優れたバランス感覚を見せつけた形で、視聴者からは『こういう意見を言えるのは凄い』『俯瞰的にモノを見ることができる良い司会者』『リンゴさんが言ってくれただけで、色んな女性は助かったと思うよ。被害に遭っても、黙ってる女性が多い事を男性側は知ってほしいよね』などと評価する声が出ています」(テレビ誌ライター)
もちろん、事実関係については、今後の裁判で争われることになるが、超大物芸人の醜聞だけあって、刻々と新情報が舞い込むたびに、リンゴには、女性の立場からの真っ当なコメントが期待されるだろう。
(木村慎吾)