藤本美貴 芸能界の御意見番のようになった「自分を曲げないかっこよさ」に漂う恐ろしさ

 今や芸能界の御意見番のようなポジションを獲得した藤本美貴。誰から何を言われても、自分が正しいと思ったことは貫き通す意志の強さは、他人の視線を気にして言いたいことが言えなくなった現代人から見ると「カッコいい存在」なのだろうか。

 6月21日放送の「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)では、「女性アイドルに学ぶ!競争社会を生き抜く折れない心の育て方」に出演した藤本は、ソロで人気者となってから、「先輩」が多く属するモーニング娘。に加入した当時を振り返り、その発言にネット民がザワザワしている。

 藤本は教訓として「長いものには絶対巻かれない」と学んだと言い、具体的なエピソードをどんどん明かした。たとえば、「私は正論を言ってるんですけど」と切り出し、自分が遅刻した時に「先輩」から「遅刻したんだから謝りなさい」と言われて謝ったことがあったそうだが、「先輩が遅刻した時に全然謝らないんで、『遅刻したんだから謝ったほうがいいですよ』って普通に言って謝らせたりとか」と自身が「先輩」を指導したエピソードを披露。MCの中居に「誰?誰?誰?」と聞かれても、藤本は「言いません!」とキッパリ拒否。「巻かれると、『こいつは巻ける』と思われるんですよ!」「自分をしっかり持って、言ったことに責任を持つことが大事」と持論を強調した。

 さらに「振り付けも全然間違えてる先輩が、私に間違えてる振り付け教えるんですよ。ダンスが得意じゃない先輩が『藤本違う!こうだ!』って」とモー娘。加入前にその「先輩」から間違った振り付けを教えられたと言い、「絶対違うと思って」「辻(希美)ちゃんとかに」確認すると、やはり間違っていたため、その「先輩」に「あれ違いましたよ、って教えてあげた」と言い、「誰かが言ってあげなきゃいけない」と畳み込んだ。

 ネット上では「先輩」は誰なのか、元モーニング娘。メンバーの実名も飛び交っているが、藤本から伝わってきた「正論なら何を言ってもいい」「正論こそ正義」といったムードが非常に恐ろしかった。

 極めつきは「誰かが言って“あげなきゃいけない”」という謎の使命感と上から目線。いつまでたっても世の中から戦争がなくならないのは、こういう発想に憧れる人がいるからなんだろうなぁ、と思わずにはいられなかった。長いものには巻かれろ。負けるが勝ち。そんな生き方をしたって、競争社会で折れない心を育むことはできる、と声を大にして言いたい。

(森山いま)

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