サッカー日本代表の正GKを任されている22歳の鈴木彩艶(すずき・ざいおん)に対し、イングランド・プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドが興味を示しているという。同クラブは昨年夏にも正式な獲得オファーを提示していたが、鈴木は最終的にベルギーのシント=トロイデンVVへの移籍を決断していた。
鈴木は9月5日に開催された2026年北中米W杯アジア最終予選・中国代表戦で、22歳15日での先発フル出場を果たし、これまで同代表GK川口能活氏が保持してきた22歳23日という記録を抜き、日本人GKとして最年少でのW杯最終予選デビューを飾った。
また、今夏にはシント=トロイデンVVからイタリア・セリエAの古豪パルマへの完全移籍も叶い、着々とステップアップを遂げている鈴木だが、さらなる超名門クラブが触手を伸ばしているという。
英国サッカーメディア「United In Focus」が報じたところによれば、マンチェスター・ユナイテッドが2025年夏の移籍市場で鈴木の獲得を狙っているといい、同選手を「世界最高の才能を誇る1人」と紹介。23年夏、J1・浦和レッズに在籍していた鈴木に移籍金9億円でオファーをしたが、これを断ってベルギー行きを決めた鈴木の判断に理解を示し、「その後、セリエAのパルマに加入してまだ数カ月の段階だが、すでに鈴木は欧州トップ5のリーグで強烈な印象を残している」と、パルマで1stチョイスとなっている鈴木の現状を評価した。
さらには「世界の若手GKの中でも最高にエキサイティングな選手の1人で、ユナイテッドが来年の夏に獲得することになるかもしれない」と綴り、現在のユナイテッド正GKアンドレ・オナナには「改善すべき余地がある」と指摘。具体的には、今季の鈴木が記録している88.2%というセーブ率を高く買っており、オナナとGKポジションの座を競わせる可能性があると紹介している。
「鈴木は身長192cm、体重100kgとガーナのDNAを引き継いだ、恵まれた体格と瞬発力を生かしたレスポンスの早さが最大の魅力。GK大国といわれたイタリアの地でもその実力はしっかりと評価されており、何と言っても、パルマが昨夏に引退したイタリアのレジェンドGKジャンルイジ・ブッフォンの後釜として鈴木を選んだのがその証でしょう。また、マンチェスター・ユナイテッドにおいても、オナナの前に正GKを務めていたのは世界最高峰のGKダビド・デ・ヘアですから、クラブやサポーターの目も非常に肥えており、そのチームからお声がかかったとなればとても名誉なこと。現時点で来夏に正式なオファーが届くのかはまだ不透明な噂レベルですが、昨夏にも浦和にオファーを出していた経緯があるので、短期的ではなく、長期的な目で鈴木の活躍を追ってくれているのかもしれません」(スポーツライター)
日本人GKとして初挑戦となるセリエAの地で開幕から3試合連続でスタメン出場を飾っている鈴木。22歳という若さで異例の出世街道を突き進んでおり、さらなるメガクラブへとステップアップするというシナリオもあながち夢物語ではないようだ。
(木村慎吾)