最近は、女性の活躍をサポートする取り組みがますます目立ってきているようです。その最新ニュースとともに、どのような方面から取り組みが進んでいるのかをチェックしておきましょう。また、「女性活躍推進」のために取り組む化粧品メーカーの代表に、具体的な施策を伺いました。
■女性活躍に欠かせないものとは?
2024年8月、女性が身体を温めることとフェムケア(女性特有の健康課題を解決するサービスやアイテム)を合わせた「フェム温活」を掲げて女性が活躍できる社会環境を目指し、一般社団法人女性活躍支援協会が発足しました。正しいフェム温活に関する啓蒙と、アカデミーの運営と資格付与を行うことで、女性雇用拡大、就業環境整備、育休促進、妊活応援など、女性活躍の場を創出しています。
女性ならではの身体やライフスタイルに応じたフェムケアという観点は、女性が社会で安心して、かつ、元気に働けるようにするためにはとても重要なこと。この協会発足や活動内容を通じて、そう気付かされます。
■働く環境においても工夫が必要!?
ただ女性を積極的に登用するだけでなく、働く環境を整備することも企業の責務といえます。例えば、福井県では女性正社員を想定した企業の環境整備を進めるべく、新たな動きがありました。
同県は今年度、建設業界の女性活躍を支援するため、正社員の女性向けに女性用トイレ・更衣室や事業所内託児所の整備に補助費用を出す制度を新設したそうです。建設業界のみならず他の業界・業種でも、トイレや更衣室、休憩室なども含めた環境作りは、女性が継続して働き続けるためにも重要なことといえますね。
■化粧品メーカーの代表に聞く!女性活躍推進の実例
現場では実際、どのような取り組みが行われているのでしょうか。きめ細かな施策を行っているという化粧品メーカーのMTコスメティクスの例をみていきましょう。
代表取締役の板橋理恵さんによると、「当社は子育てサポート企業として厚生労働省から『仕事と家庭の両立の取組を支援する企業』として認定を受けており、在宅でのパート勤務や時短勤務を導入するなど、子育て世代が安心して働ける環境作りを行っています。また、女性の活躍促進に優れている企業を認定する『えるぼし認定』も申請中で、これからも働きやすいだけでなく、活躍できる企業となるよう、整備を続けていきたいと思っております」とのことでした。
●フェムケアへの取り組みについて
また、フェムケアについても、一歩進んだ取り組みを行っているそうです。
「当社は、乳がんの啓蒙活動ピンクリボン運動のオフィシャルサポーターで、現在は乳がんと合わせて子宮頸がん検診を会社負担で行っております。社内での知見を高めるために、フェムテックアプリの開発協力で、専門講師によるオンライン勉強会や相談会を開催し、更年期における体や心の変化などを学ぶ機会も設けました。また、体や心の不調について産業医の先生にも個別相談ができるよう、希望に合わせたサポートをしております」
●女性の健康を考えた環境作りについて
環境作りに関しても、女性がとくに健康を維持できるような工夫をしているそうです。
「日常生活でのちょっとした困りごとを解決するため、女性トイレに小さな個別ロッカーを設置したり、体調不良のときに社内に休憩できるスペースを整備したりしています。また、女性特有の症状に対応するような常備薬の整備や、防災用品の中に女性向けの衛生用品なども入れるようにしております」
「職場は、毎日働く場所だからこそ快適な環境が大切だと思っています。お肌や喉の乾燥、感染症予防のために加湿除菌装置を設置している他、オフィス用のアロマディフューザーを設置し、職場全体が効率よく仕事ができてストレス軽減につながるような環境作りに努めています。社内が殺風景にならないように、リラックス効果や集中力向上効果があるといわれている観葉植物を適宜配置して、グリーンのある職場にしています」
女性活躍を進めるためには、制度や環境作りが欠かせないことが分かります。これらの先進的な取り組みを見習い、他の企業でも女性が働きやすい職場が増えればよいですね。