今や国民的俳優の地位に上り詰めた小栗旬だが、新人時代にはオーディションで“3戦3敗“した強烈なライバルがいたという。
小栗は12月1日放送の「だれかtoなかい」(フジテレビ系)に出演し、そのライバルが20年にも及ぶ付き合いがある同年代の山田孝之だと打ち明けた。番組には2人がそろってゲスト出演し、オーディションで同じ役柄を奪い合った日々を振り返っている。
小栗によると「山田孝之がオーディションにいると、『(自分は)落ちたな…』って思って帰る感じが途中からありました」とのことで、実際「3回一緒になってるからね。3回とも孝之がその役をやりました」と全敗したという。
番組MCの中居正広から、自分が落ちた作品を鑑賞するかを聞かれた小栗は「見ましたよ。まずは『誰になったんだろう?』『あぁ~、山田君なんだ?』って」と悔しき時代を懐かしんだ。
一方の山田も、小栗のほか、もう1人の人気俳優の名前を出しながら当時を回想した。「いちばんイヤだったのは、2人と勝地涼の3人で狭い部屋に入って。スタッフ3人、こっち3人。同じ髪型にされて『はい、芝居して』って。『うわー、ヤダ』って思って」と、今では売れっ子の面々でオーディションに参加していたようだ。
「山田といえば、ドラマ初主演となった『WATER BOYS』(フジ系)や『世界の中心で、愛をさけぶ』(TBS系)、映画初主演の『電車男』などで、繊細かつ内気な男性役を演じることが多かったですが、2007年公開の“ヤンキー系”映画『クローズZERO』を機に、真逆の闇を抱えたような役柄に挑戦するようになりました。以来、闇金会社の社長や、魔王に立ち向かう村の勇者、新宿のスカウトマン、破天荒な艶系ビデオ監督まで、様々な役柄を演じ分ける芝居の幅広さから、“日本屈指のカメレオン俳優”と絶賛されています。小栗や勝地も十分に人気と実力を兼ね備える存在ではありますが、やはり“相手が悪すぎた”というのが世間の見方で、『作品を作る側なら、そりゃこの人を選ぶよなと思います』『山田さん、小栗さん、勝地さんなら、山田さんが勝ち取るのは納得ですね』『10代後半辺りの山田孝之は無敵な感じだった』との反応が上がっていました」(テレビ誌ライター)
ただ、オーディションの結果は役者の優劣ではなく、あくまで役柄との相性や親和性で決まるもの。小栗は2005年のドラマ「花より男子」(TBS系)の花沢類や、2007年にヒットした「花ざかりの君たちへ~イケメンパラダイス~」での佐野泉など、クールでミステリアスな二枚目役を好演しており、これは山田にとってはあまりマッチするキャラクターとは言えないだろう。
小栗にはホロ苦かった思い出も、みずからの役者としての個性を活かすことの重要性を知る上では、意味のある下積み時代だったと言えそうだ。
(木村慎吾)