今回は、これから本格化する入試や就活の面接に効果絶大、しかも簡単テクニックをご紹介しましょう。いつものように、「やってみればすぐに効き目が表れる」ものを選りすぐってお伝えします。
■ この世は“○○○”
態度・身だしなみ・話し方や、声の大きさ・メリハリなどは、日常生活において相手の印象に大きな影響を与えます。しかし、これらすべてが完璧な人って、あまりいませんよね。でも、ご安心ください。「すべてのマイナスをおぎなって余りあるもの」 があります。それが“晴顔”です。その中でも最も強力なのが、“えがお”です。「“えがお”はすべてを救ってくれる」 のです。
■ 初対面、勝負はわずか“数秒で決着”
「人の第一印象は6秒で決まる」と言われています。これについては、様々な解釈が行われてきましたが、「人の第一印象は、非常に短時間で決まる」 というのは間違いなさそうです。
理由は以下です。
人は、「他の(危険な)動物と自分の仲間を見分けるために、点が3つあると必ず顔を認識する(シミュラクラ現象)、そのうえで、白眼を確認して“ヒトの顔”だと特定する」ように“できている”ということをご紹介しました。しかも、これを瞬時に行わなければ命にかかわる。さらに人は、長い進化の歴史の中で、敵、味方の判断だけでなく、相手の感情などの情報も、「たちどころに(数秒で)“顔(表情)”から読み取ってしまう」 ようになったと考えられます。
しかし、現代の日常生活において、「瞬時にして、相手を見分けなければ命にかかわる」ようなことは、まずありません。でも、「短時間で、相手に好印象を与えなければいけない場合」というのは、けっこうあります。接客や面接なんかは、そのいい例でしょう。
■ 面接の極意
私のゼミの研究テーマは、「“表情”コミュニケーション」でした。実は、私のゼミの学生は、ちょっぴりお得な「就活の勉強」ができました。「“面接”の練習も必修だった」のです。面接は超大切な“表情”コミュニケーションの一つなのです。
今の企業が学生に求めている能力のトップは「コミュニケーション能力」。企業は、面接で学生の「コミュニケーション能力」を判断します。採用に当たって、企業が一番力を入れているのが面接です。面接の表現能力をみがいた私のゼミの学生は、これまでの面接実績では、「向かうところ敵なし」 状態でした。
“コミュニケーションの達人”を数多く輩出してきた(ちょっと自慢)私のゼミの授業は、「大声でスローガンを唱える」ことから始まります。それが、『“えがお”が一番、明るく元気で!!』です。そしてまず、「初対面の数秒間、つまり、面接の場合、部屋に入って席に着くまでは、絶対に“えがお”でいなければいけない」と教えます。さらに、「話し始め(話頭)も、いつも“えがお”から始める」 よう指導してきました。面接結果はいつも良好でした(仏具の会社をのぞいて)。
■ “えがお”コミュニケーション
面接だけに限らず、人生の全ての場面で『“えがお”が一番、明るく元気で!!』 いけば間違いないと思います。すべてのコミュニケーションは、“えがお”さえあれば、ほぼ完璧にその目的を達成することができるというのが“私の信念”(実績もあり)です。
面接テクニックを一言に要約すれば以下、これがすべてです。
「“身だしなみ”に気を使いながら、“えがお”でハッキリと話せばいい」 のです。ただし、面接が、仏具屋さんの場合は、“えがお”以外の“ステキな晴顔”にしてください。
ちなみに、仏具の会社の面接を受けるも先に進めなかった“晴顔”のステキな彼は、その後、メガネの会社に合格しました。
●プロフィール
なかむら・かつひろ1951年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業後にNHK入局。「サンデースポーツ」「歴史誕生」「報道」「オリンピック」等のキャスターを務め、1996年から「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)ほか、テレビ東京などでワイドショーを担当。日本作家クラブ会員。著書に「生き方はスポーツマインド」(角川書店)、「山田久志 優しさの配球、強さの制球」(海拓舎)、「逆境をチャンスにする発想と技術」(プレジデント社)、「言葉力による逆発想のススメ」(大学研究双書)などがある。講演 「“顔”とアナウンサー」「アナウンサーのストップ・ウォッチ“歴史館”」「ウィンウィン“説得術”」