筆跡診断士という専門家の存在をご存じだろうか。手書き文字からその人の習性や心理状態などを診断する仕事で、フランスでは国家資格が必要とされている。大企業には必ずと言っていいほどお抱えの筆跡診断士がいるというが、日本では就職活動や転職時、企業に提出された履歴書を外部の筆跡診断士が鑑定することもある程度だそうだ。
神尾楓珠の手書き文字が美しいことをご存じの人は多いことだろう。知り合いの筆跡診断士に神尾の手書き文字を見てもらったら、開口一番「芸能人にしては珍しく『オレが!オレが!』と前に出ようとする気持ちが薄い人。前に出ていく人を後ろから見守ることが多い人。押すことより引くことが多い人」と言われた。頭脳明晰でバランス感覚に優れた包容力のある手先が器用な性質で、恋人には「お父さん」というより「お母さん」のような目線で接することが多いはず。恋人は神尾と一緒にいることで安心感を得られるだろうとのこと。
この診断結果を聞いて妙に納得してしまった。神尾は容姿が麗しく演技力も「棒」ではない。たまに「あれ?」と思うことはあっても、演技に稚拙さを感じたことはない。それなのにイマイチぱっとしないのは、本人がガツガツと前に出て行こうとするタイプではないからなのだろう。
1月25日放送の「メシドラ 兼近&真之介のグルメドライブ」(日本テレビ系)に「仲がいい」という萩原利久と一緒に出演していた時も、神尾は萩原をスッと前に出して自分は後ろに回るように見えたことが多々あり、同い年ながら無邪気な萩原が子どものように見えた。「カタカナーシ」というカタカナを使わずに説明されたカタカナ言葉を当てるゲームでは、ダントツで神尾が優勝。回答するまでのその速さには驚くばかりだった。
一夫多妻制のテイで構成されたアイドルユニット「清 竜人25」の第104夫人・清 真尋こと林田真尋と2020年11月に熱愛報道され、さらに直撃取材をされた時も、動じることなく「僕が言うわけにはいかないんで」「事務所が判断することなんで」「僕の気持ちを話すことはできるんですけど。いろいろ責任とかあるんで」などと、普通に返答している様子が印象的だった。後日、神尾が所属する事務所は書面で交際を認めていたから、林田は安心したのではないだろうか。 22年4月期放送の間宮祥太朗主演ドラマ「ナンバMG5」(フジテレビ系)で神尾が演じた伍代直樹は非常によかった。
神尾には笑顔が多いキャラより口数が少ないスカしたキャラのほうが似合うと思う。2月7日公開の映画「大きな玉ねぎの下で」では桜田ひよりとW主演する神尾。今作で2度目のタッグとなる草野翔吾監督から「この作品では素の神尾くんが撮りたい」と要望され、素に近いけれど素ではない大学4年生の堤丈流を演じたという。神尾の代表作になることを願う。
(森山いま)