高橋一生の代表作と言える「岸辺露伴」シリーズの新作が5月23日に映画として公開される。そのタイトルは「岸辺露伴は動かない 懺悔室」。荒木飛呂彦氏の原作マンガ「岸辺露伴は動かない」の最初のエピソード「懺悔室」にオリジナルのエピソードを追加した内容で、岸辺露伴(高橋)が取材旅行で訪れたイタリアのヴェネツィアで遭遇する事件が描かれる。NHKで放送されていたドラマシリーズおよび映画第1作のスタッフが再び集結し、オールイタリアロケで撮影された作品となる。
岸辺露伴の担当編集・泉京香は、私生活で高橋の妻となった飯豊まりえが続投。また、「懺悔室」で自身の「あやまち」を告白する謎の男・田宮を井浦新、露伴をヴェネツィアの迷宮に迷い込むきっかけとなる仮面職人・マリアを玉城ティナ、田宮が告白した恐ろしい話の鍵を握る浮浪者・ソトバを戸次重幸、そのソトバを死なせてしまったことで、不気味なほどの“幸運”に襲われる“呪い”をかけられてしまった水尾を大東駿介が演じる。昨年5月10日に放送されたシリーズ第9話となるドラマ「密漁海岸」のラストシーンでは、飯豊演じる京香が「食をテーマにした怪奇ミステリー!」「舞台は美食の国イタリア。ぴったりじゃないですかー」「次の取材旅行はこれで決まりですね」と露伴に話しかけていたため、次はイタリアを舞台にした「懺悔室」が実写化されるのではないかと予測する声が上がっていたが、まさに大正解となった。
ネット上には、新作に歓喜する声と同時に、映画タイトルにかけた「懺悔の声」が少なくない。その内容は「井浦演じる田宮にときめいてごめんなさい」というもの。すでに公開されている特報映像の中で井浦演じる田宮は、黒いシルクハットに深紅のタイがポイントに黒いスーツを着こなしており、文句なしでカッコイイのだ。さらに高橋演じる露伴の身体を引き寄せて耳元で何か言っているのだが、そのシーンとともに「神父様、本当に恐ろしいことはここから始まるんです」という、おそらく「懺悔室」で田宮が告白する声だけが流れ、何やら非常に艶っぽいのだ。
「高橋演じる露伴より、井浦演じる田宮にときめいた人々」が懺悔したくなるのもよくわかるが、ほんの一瞬で多くの人々をときめかせてしまう井浦のパワーを改めて思い知らされた。井浦パワー、恐るべし。
(森山いま)