4月にスタートした「春ドラマ」が折り返し地点を越えたため、「夏の新ドラマ」情報がチラホラ聞こえてきた。その中で最も注目を集めていると言えそうなのが、現在、好評放送中の芳根京子主演「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ系)の枠を引き継ぐ、木村文乃主演「愛の、がっこう。」(フジ系)だ。
木村演じる真面目すぎる高校教師の小林愛美が、Snow Manのラウール演じる文字の読み書きが苦手なホストのカヲルに「秘密の個人授業」を続けることで生まれる2人の関係は、周囲からの批判や嫉妬にさらされてどうなっていくのか。「禁断なのに純愛」がテーマのラブストーリーだというから、話題になるのも当然だろう。
滝沢秀明氏がまだタレント業をしていた17歳の頃、当時26歳だった松嶋菜々子演じる高校の担任教師と、転校してきた高校生との「禁断の愛」を描いた「魔女の条件」(1999年放送、TBS系)を思い出した人も少なくないのではないだろうか。ラウールが滝沢氏からかわいがられていたことも、「魔女の条件」を思い出すトリガーになっているかもしれない。
時代が「平成」から「令和」に変わった現在、「先生と生徒」だけでは「恋愛の障害」として弱く感じられるようになってしまったから、「生徒はホスト」という新たな「枷(かせ)」がプラスされたように思うが、この設定を懸念する声がすでにネット上だけでも数多くあがっている。
ただでさえ、ホストにハマる若年層が増加し、お金欲しさにたやすく売春に手を出すことが社会問題となっている今、「女性に金を落としてもらうことが仕事」であるホストをドラマのメインキャラに据えたら、勘違いする若年層がさらに増加するのではないかと危ぶむ声が多いのは、実によくわかる。
2003年放送「白い巨塔」、14年放送「昼顔」(いずれもにフジ系)でタッグを組み大ヒットさせた脚本・井上由美子氏&演出・西谷弘氏は、こうした“懸念の声”を払拭してくれるだろうか。
(津島修子)