最近、芸能界で「活動休止」という言葉が、あまりにも軽々しく使われていないだろうか。ほんの数カ月活動をお休みしただけで「活動休止」。ちょっと疲れたから「しばらく離れます」。どこかに“言っときゃ楽”という空気が漂う。
そんな“軽々しい活動休止”が横行する中で、改めてその重みを感じさせたのが、ロックバンドSuchmos(サチモス)の復活だった。彼らは6月22日、横浜アリーナで復活ライブ「Suchmos The Blow Your Mind 2025」を開催。単独有観客ライブとしては、2019年9月8日の横浜スタジアム公演以来実に5年8カ月ぶりだった。2021年2月に理由については、「修行の時期を迎えるため」と告げ、活動を一時休止。再始動の報告は昨年10月だったが、6年弱は完全な“無音”だった。
まさに「言葉ではなく、沈黙で語る休止」、その沈黙があったからこそ、ライブに集まったファンの「お帰り!」が本物だった。
一方で、活動休止の言葉が霞んでしまうようなケースもある。たとえば、歌手のmiletは最近、「心と体と向き合いたい」として活動休止を発表。だが同時に「SNSやFCは、更新したい時に更新します」と宣言している。これでは「お仕事セーブ」ではあっても、「活動休止」とは言いづらい。“今後はちょっとのんびりします”というマイペース宣言に近く、悪く言えばファンの不安を先回りして“とりあえず言っておく”スタイルだ。このパターンでの休止が続出している感がある。
もっとも今、話題の中心で、芸能界で“活動休止になった”といえばTOKIOの国分太一。こちらは“体調”ではなく、“コンプラ違反の報道”がきっかけ。本人は非を認め、無期限の活動休止を発表。テレビ・ラジオのレギュラー番組をすべて降板し、会社も退所している。これはまさにみずから休止したというより、“活動停止に追い込まれた”という意味に本来は近いのではないか。
「芸能人の“活動休止”という言葉は、本来、重たいものでした。でも、今は“言ったもん勝ち”の『活動休止宣言』があふれ、言葉の意味が軽くなった感じがしますよね」(芸能ライター)
ある意味、一部芸能人にとっては便利な言葉として定着してきたということかも。