【大追跡】遠藤憲一「優柔不断で憎めないカワイイおじさん」を究めた現在地
放送中の大森南朋、相葉雅紀、松下奈緒のトリプル主演ドラマ「大追跡〜警視庁SSBC強行犯係〜」(テレビ朝日系)で、警視庁捜査一課長の八重樫雅夫を好演している遠藤憲一。コワモテなのに優柔不断で気が弱く、年下の意見に惑わされることも少なくない。
一流大学を卒業後、外資系証券会社への就職を経て「SSBC」こと「捜査支援分析センター」に警察庁から出向して来た名波凛太郎(相葉)から、ことあるごとに「SSBCが独自に捜査して何が悪いんです?僕の伯父は元警察庁長官で現内閣官房長官の久世俊介(佐藤浩市)です。そして僕は国家公務員総合職採用試験に合格して警察庁に入庁したキャリア官僚。3年後には昇進しておそらく警察庁で局長。つまり、あなたの上司になります」とマウントを取られては、名波をはじめとするSSBCに独自捜査を許し、捜査一課の主任である青柳遥(松下)に叱られることを繰り返している。そんな八重樫捜査一課長はとてもかわいい。
この八重樫捜査一課長のキャラクターは、米倉涼子主演ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレ朝系)で遠藤が演じた「御意三兄弟」の長男にあたる海老名敬を思わせるところがある。優柔不断で年下や格下からの言葉にも惑わされてしまう、憎めないカワイイおじさんキャラは、今や“エンケン”の独壇場だ。年下の女性キャラから「意外とカワイイ」と思われることも、もはや定番化してきている。
相葉演じる名波の決めゼリフとなっている「SSBCが独自に捜査して何が悪いんです?」に続く「僕の伯父は元警察庁長官で~」のマウント構文をおとなしく聞いている遠藤演じる八重樫捜査一課長の、お腹が空いた犬のような顔を楽しみにしている視聴者は意外と多いのではないだろうか。
(森山いま)
